第190回通常国会

2016年1月19日 総務委員会



■地方交付税法の一部を改正する法律案
@地方交付税法の第6条3の第1項の規定にもかかわらず、なぜ増加分が今年度分の特別交付税として交付されることはなくて翌年に繰り越されるのか。
A本来地方の財源である今年度の地方交付税が、来年度の地方交付税の財源として使われるのはおかしい。
B来年度の地方交付税への繰越しは、6年連続になる。続けるのならば、この地方交付税法の6条の3の第1項を改正するなり、他のルールを定めるべきではないのか。
C復興事業の進捗状況はどのように変化したのか、していないのか。現状での遅れの理由、それに対する今後の対処方針は。
D今回規定によって不用額として減額されたものも、今後必要になったら復活をするのは間違いないか。
E総務省は、地方公共団体における職員の給与改定の実施は、国における給与法の改正の措置を待って行うべきであり、国に先行して行うことのないようにという副大臣通知を出したのか。


○又市征治君 社民党の又市です。
 交付税問題については、石上委員あるいは片山委員と認識をほぼ共有するわけでありますが、補正予算案はばらまき問題があってこれは反対をいたしますが、この交付税問題はまあやむを得ぬかなという立場で賛成をすることをまず冒頭申し上げておきます。
 今回の補正で、地方交付税法、法定率分が1兆3113億円増額されて、調整分を除いた1兆2644億円が来年度の地方交付税に加算して交付するということが改正の内容ですね。
 昨年も伺ったわけですが、地方交付税法の第6条3の第1項の規定にもかかわらず、なぜ増加分が今年度分の特別交付税として交付されることはなくて翌年に繰り越されるのか。この繰越しは、今年も実施されれば6年連続ということになるわけですね。来年度の地方交付税の財源対策として、本来地方の財源である今年度の地方交付税が使われるというのはそもそもおかしいと言わざるを得ぬわけであって、政府の責任において来年度の地方交付税対策はやるべきなんですよね。
 ここのところをもう一遍、基本的な認識を大臣に問いたいと思います。

○国務大臣(高市早苗君) 本則と違う形になるわけでございますけれども、28年度においても巨額の財源不足が生じることが見込まれましたので、地方6団体からも平成28年度の地方一般財源総額、地方交付税の総額確保の強い御要望をいただいておりました。このため、27年度における普通交付税の調整減額分を追加交付した残余の額について28年度に繰り越し、交付税総額の確保及び臨時財政対策債の抑制に活用することとしました。
 今回の繰越しの措置を含めました28年度地方財政対策については、地方6団体からも、景気の回復により地方税が増収となっている中で、地方交付税の減少を0.1兆円減と最小限にとどめ、ほぼ前年度並みの16.7兆円を確保したことを評価するという声明もいただいており、今回の繰越しの措置につきましても地方の御理解をいただいているものと考えております。

○又市征治君 私が問題にしているのは、来年度の地方交付税の財源が不足しているからといって、国が勝手に地方の共有財源、交付税というのはそういうことでしょう、地方の共有財源をやりくりするというのはおかしいじゃないか。今年の特別交付税分が国の一存で来年度に回すというのでは、実質的に地方の財源が削減されるのと同じだということの理屈になるわけですよ。何か当然のことであるように言われるのは大変おかしいと申し上げなきゃならぬ。
 先ほども言いましたけれども、来年度の地方交付税への繰越しは、今年やるとすれば6年連続になるわけですね。そんなに続けるのならば、この地方交付税法の6条の3の第1項を改正するなり、他のルールを定めるべきではないのかと。
 じゃ、なぜこの第1項をそのまま残しておるのかという理由をお聞きします。


○国務大臣(高市早苗君) 第6条の3第1項の規定でございますけれども、これは交付税総額とその所要額との差が引き続き著しく大きくなった場合に同条第2項の制度改正又は率の変更を行うこととし、その他の場合はその年度で完結することを原則としたものでございます。
 しかしながら、近年は地方財政において巨額の財源不足が継続する状況となっておりますことから、翌年度の地方交付税の財源として活用するために繰り越すことを基本としており、そのために必要な法律改正を行ってきています。
 国税の増収に伴う地方交付税の増収が生じた場合の対応につきましては、財源不足の状況、国の経済対策、災害対応の必要性など、その時点における地方財政の状況を踏まえ、翌年度への繰越し、特別会計の償還や経済対策が講じられた場合の地方負担に充当することなど、その時点において適切と考えられる措置を法律を改正することによって講じることが適当であると考えています。

○又市征治君 いや、だから、何でこの6条の3の第1項のものを改正なり文言を変えるなり、そういう努力をしないのかということを私は聞いているわけですよ。法の規定と異なる翌年繰越しというのは、何か当然のようにおっしゃって、こういう交付税法の、ここで改正案を示せばそれでいいんだというのはおかしいんじゃないのか、何らか改正のことを考えるべきじゃないのかと申し上げているわけです。それは長くやってもしようがありませんから、次に移ります。
 復興事業の進捗状況の問題について伺います。
 長島さん来ていただきましたから、お伺いをしたいと思いますが。今回の補正で、震災復興特別交付税のうち2014年に交付されなかった1483億円が、今年度地方交付税総額から不用額として減額をされましたね。これは特会法上、交付税特会の歳出予算における支出残額の翌々年への繰越しが認められないということからだと思いますが、このような減額措置は、平成25年度以来、3年連続で続いていることでもあります。
 昨年もお尋ねしたんですが、当時、小泉大臣政務官は、地元との調整を加速化をする、手続を簡素化する等々の措置をとって対応していると答弁をされたわけですが、あれから1年、復興事業の進捗状況はどのように変化したのか、していないのか、そして現状でのこの遅れの理由、それに対する今後の対処方針についてお伺いをしておきたいと思います。

○副大臣(長島忠美君) お答えをさせていただきます。
 復興関連予算については、平成23年度から平成26年度までの累計で執行率は約8割となっております。一方、繰越額は約1.5兆円、不用額は約3.9兆円となっております。先生御指摘のように、繰越額や不用額は、町づくりや除染等について地元との調整に時間を要したこと等により生じたものと認識をしております。
 こうした状況を踏まえて、復興庁としては、例えば、住宅再建、復興町づくりについては、事業の隘路となる課題に対して、用地取得手続の迅速化、被災自治体への職員派遣、資材、人材確保への対応等、累次にわたる加速化策を打ち出してきたところでございます。こうした取組により、高台移転、災害公営住宅共に95%で事業が開始するなど、復旧復興事業に関わる仕事は全体として着実に進めさせていただいていると認識をしているところでございます。
 引き続き、被災地における課題にきめ細かく対応することによって復興関連予算の円滑な執行に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

○又市征治君 集中復興期間も間もなく終了するということでありまして、その意味で、新たな課題も出てくるだろうと思います。特に福島原発事故の影響は未だに大きいものがあるわけで、事業は進んでいると言っていては被災者に寄り添うことにはならぬわけでありまして、事業の進捗状況と同時に被災者の要望に十分応える、このことを考えていっていただきたい、このことを求めておきたいと思うんです。
 そこで、答弁で説明された種々の理由で工事が遅延しているということですけれども、工事自体が取りやめになったわけではありませんから、当然、時期が来れば必要になる予算ということになります。今回、規定によって不用額として減額されたわけですけれども、今後必要になったら復活をする、このことは間違いないですね。

○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 事業の進捗状況等によりまして翌々年度以降に震災復興特別交付税が必要となる場合には、被災団体の復旧復興事業に影響を及ぼすことのないよう改めて必要額を予算に計上することとしておりまして、今後とも被災団体の財政運営に支障が生じないように取り組んでまいりたいと考えております。

○又市征治君 仮に予算化するにしても、これは前から言われていることですが、国に要求する際に、また膨大な事務量が自治体に課せられてはこれはたまらぬという大きな声が出ていて、ここのところはもう改善をされてきたと思うんですが、是非、その点の自治体に対する手続の簡素化含めて、この関係各省の対応をしっかりやるように求めておきたいと思います。
 最後の質問になりますが、地方公務員の給与改定問題について伺っておきたいと思います。
 昨年8月6日に人事院は月例給、一時金共に2年連続で引き上げる勧告を行いました。通常では、速やかに給与関係閣僚会議が開催されて閣議決定が行われて、臨時国会に給与法改正が提案される、ずっと長い間そうされてまいりました。しかし、昨年度は、憲法の規定に基づき野党が臨時国会の開催を求めたにもかかわらず、臨時国会の開催をしない異例の中で、人事院勧告の実施が年をまたぐことになってしまいました。これ自体、公務員の労働基本権が奪われていることに対する代償措置としての人事院勧告軽視と言われてもやむを得ないということではないかと思うんですが。
 国の動向を見極めながら、自治体労使は人事院勧告を踏まえて給与改定について協議を進め、そして政府が12月4日の閣議で人事院勧告の完全実施を決定したということもあったから、そういう意味では、各自治体労使の中でもこの給与改定について条例化を図る努力がされる動きにあったんですが、総務省は事もあろうに、12月4日、副大臣通知を出して、地方公共団体における職員の給与改定の実施は、国における給与法の改正の措置を待って行うべきであり、国に先行して行うことのないようにすること、こう述べているわけですが、一体どこにそのような法律の規定があるのか。少なくとも、自治体がそれなりきに自分たちの給与法、法の24条に基づいて判断をしてやること自体に国がこんなふうに関与するというのは大変問題ではないのか。
 まさに、自治体を国の従属機関と見ているような在り方ではないのか、こう思いますが、この点について明快に答えてください。どこに、国にそういう規定があるのか。


○国務大臣(高市早苗君) 先ほど先生がおっしゃった地方公務員法第24条で、地方公務員の給与決定に当たっては、民間事業の従業者の給与等とともに国家公務員の給与も考慮事項の一つとされています。国家公務員給与は一般職給与法で定められていて、国会における審議を経てその取扱いは定まるものでございます。
 地方公務員の給与につきましては、各都道府県の人事委員会の勧告を踏まえて、各地方公共団体の議会での議論を経て条例で定められるものでございますけれども、これまでも地方公務員の給与については、地方公務員法に基づいて、国民、住民の皆様の理解と納得が得られる適正な内容とすべきという考えに立って必要な助言を行ってまいりました。今回も総務省としては、この法律にのっとって、給与法の改正の、改定の実施は国における給与法の改正の措置を待って行っていただくように助言を行ったものでございます。

○又市征治君 意味が分からぬのですね。
 地方公務員法の24条第3項のことをおっしゃっているんだと思うけれども、職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなきゃならない、いろいろと書いているけれども、実際上は人事院勧告あるいは人事委員会勧告、こういうことになるわけであって、これを条例化することと支払うこととはまた別の話。そういう意味で、これ決めることをやっちゃいかぬということ自体は、私は自治体を国の出先機関として扱う、一時代前の極めて権力的な対応だと批判をせざるを得ません。
 だから、この報道によれば、8都県と9政令市が昨年中に給与条例を改正したと。何も、支払いましたと必ずしも言っているわけじゃない。これらに対して自治体、副大臣通知というのは、それに背いている、こういう通知を出したことに背いている、レッテル貼りやっているに等しいということですから、このようなばかげた権力的な対応というのは、もう本当に一時代前の話だ、やめてもらいたいということを強く求めておきたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。