第190回通常国会

2016年3月31日 総務委員会



■2016年度NHK予算案
@高市大臣の発言の趣旨は、「放送法第1条の趣旨に立つとすれば、これは第4条の遵守というのは放送事業者の自主的取組に期待をする」ということか。
ANHKは高市大臣について、どのような見解をもったのか。
B今後どのようなスケジュール感で改革を実施するのか。今後同様な不祥事が繰り返された場合の責任はどのようにとるのか。
C現在、実施されているインターネット活用業務は、公共放送としては具体的にはどのような点に重点を置いているのか。
D今後の放送とネットとの相互関係、相互利用についての協議、議論のスキームはどこで論議をされていくべきだと総務省は考えているのか。
E公共放送として今後の放送とネットとの関係、受信料、利用料金の在り方についてNHK独自に調査研究することも必要と思うが、その点どのように考えているのか。また調査研究して一定の見解、方向性を提示する場合、国民の理解を得るためには、NHKが公共放送であると、単に形式的ではなくて、内容的にも国民に認められることが必要と思うが、その点の認識は。
F総務省が昨年11月に設置した放送を巡る諸課題に関する検討会の設置、問題意識は何か。
G過去にも同様な検討会が設置されたのか。設置されていた場合、それは放送行政にどのように反映されたのか。


○又市征治君 社民党の又市です。
 先日の大臣所信に対する質疑の中で、先ほど来出ていますが、高市大臣の電波停止発言と報じられた件についてただしました。高市大臣は、先ほど来からも答弁されているように、従来の総務省の見解を繰り返したもので、慎重に対処することは当然だ、こういう旨の御答弁があったと思います。
 そこで、大臣、放送法第1条の趣旨に立つとすれば、これは、第4条の遵守というのは放送事業者の自主的取組に期待する、こういうことの意味でおっしゃっているんだというふうに私は理解するが、簡潔にまずこれをお答えいただきたい。

○国務大臣(高市早苗君) 又市委員、御指摘のとおりでございます。

○又市征治君 そこで、次にNHKに伺いますが、高市発言について、どこでどう曲がったのか、あるいは誤解を与える発言だったのか、民放各社を含めて、或いは文化人などからもかなりの批判が上がってまいりました。多くの中で、番組内容に関して行政指導あるいは行政処分は望ましくない、当然のこととしてそのような声が上がったんですが、一体このときにNHKとしては高市大臣の発言についてどのような見解を持たれたのか、そのことについて伺います。

○参考人(籾井勝人君) 我々は、放送事業者として番組を作っている立場でございます。そういう意味におきまして、国民の知る権利に応えるため、放送法にのっとり、何回も申しておりますが、公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、自らを厳しく律して放送に当たっていると、これに尽きると思います。
 今後もこの姿勢に変わりはなく、公共放送の役割を果たしていきたいと思っております。

○又市征治君 つまり、民放各社などは全部大臣の発言を批判的に捉えて発言しているんですが、あなたの言っているのは、同じことを繰り返して公平公正云々かんぬんと、こうおっしゃっているが、どうもNHKの姿勢が、あなたが就任されたときのあのときの発言、政府が右と言うものを我々が左と言うわけにいかないと、こう発言されて以来、この自主自律ということが本当に生きているのか、国民の中に大変NHKに対するそうした疑惑が広がっているということをしっかりと私は認識をして対応していただくように、このことを強く求めておきたいと思います。
 次に、関連会社の不祥事再発防止問題について伺います。
 先日のNHKに関する集中審議において、私は、不祥事再発防止の改革策は幾つも幾つも出されてきた、だけどそれがおざなりになっていなかったかということを指摘しました。会長は、あとは実行あるのみだ、こういうふうに答弁をされているわけですが、今後どのようなスケジュール感で改革を実施されていこうとしているのか。また、今後同様な不祥事が繰り返された場合の責任についてはどのように考えておられるのか、この見解を伺います。

○参考人(籾井勝人君) NHKアイテックの不祥事を受けまして、再発防止に向けて緊急に打つべき手は既に着手いたしております。出金管理の徹底、常勤監査役への外部人材の起用、これは形式的にはまだ取締役会を経ていませんので、でも人材はもう具体的に決まっております。
 また、今月、関連団体運営基準というものを改正しまして、関連団体に対する指導監督の強化を図るとともに、NHKグループ経営改革に取り組むための具体策を策定いたしました。この中では、一つ、外部人材やNHK若手幹部の経営陣等への起用による規律ある経営の確立、合同入社式、あしたでございますが、や研修の強化によるNHKグループ意識の醸成、本体から就任する非常勤取締役の強化や子会社の事業を所管する部門の責任の明確化による指導監督機能の強化、子会社等の業務を精査して統合、廃止などを視野に、組織の在り方も含めて構造改革を断行すること等に取り組むこととしております。
 改革施策は可能なものから順次着手いたしております。視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、スピード感を持って抜本的な経営改革に不退転の決意で取り組んでまいりたいと思います。

○又市征治君 再び起こった場合の責任問題に何もお答えになっていない。
 会長、本委員会はこの間連続して、NHK予算に関する附帯決議の中で不祥事の再発を求めてきたわけですよ。また、あなたは経営委員会からも再三にわたって注意を受けてきました。私は、やっぱりあなたの認識がちょっとおかしいんじゃないのか。例えば、さっき我々が、謝罪されたけれども謝罪して済む問題じゃないんですよ、委員会でいろんなことを我々はただす、国民に代わってあなた方にいろんなことをただしている、そのことを文句だというふうに受け止めたあなたの本音がポロッと出たんだろうと思う。これ失言の類いじゃないんですよ。
 そういう格好で注意を何回も受けておいでですが、そういう経過を踏まえながら、もし再び同様の不祥事が起こった場合の責任はどうするのかということについて、もう一度お答えください。

○参考人(籾井勝人君) NHKや関連団体で起きました不祥事については誠に申し訳なく思っております。改めて深くおわび申し上げたいと思っております。
 公共放送NHKにとりまして、視聴者・国民の皆様からの信頼は何よりも重要だということは先ほどから申し上げております。けれども、国民の皆様の信頼を回復するため、私が先頭に立ち、不正を許さない意識改革とグループ全体の抜本的な経営改革に不退転の決意で取り組んでまいりたいと思っております。

○又市征治君 やっぱり答えになっていないんですが、時間の関係もありますから次に進みます。
 次に、NHKのインターネット活用業務について伺っていきます。
 NHKは昨年4月に、2014年の放送法改正を受けて、インターネットガイドライン2015を公表していますね。また、それを踏まえて、年度ごとのインターネットサービス実施計画が作成されているというように思います。
 他方、在京民放5社のネットの活用状況を見ますと、各社ごとに番組の有料、無料の配信を行うと同時に、昨年10月に民放公式テレビポータブル、TVerとかというそうですけれども、これを立ち上げて、50番組をテレビで放映後1週間程度、無料配信を行っています。NHKが行っているオンデマンド放送を民放ではCM入りで今無料で行っているということのようです。
 民放とNHKが同じようなことをする必要はないと思いますが、公共放送NHKならではの役割もあるんだろうと思います。
 そこで、このガイドラインあるいは実施計画に基づいて実施される現在のインターネット活用業務は、公共放送としては具体的にはどのような点に重点を置いているのか、伺いたいと思います。

○参考人(森永公紀君) お答えします。
 NHKは、3か年経営計画に基づき、インターネットサービスにおきましても、公共放送が果たすべき役割に重点を置いて、放送と通信の融合の時代にふさわしい新たなサービスに取り組んでいるところでございます。
 国民生活や社会全体に大きな影響を及ぼすニュース、それから人々の命と暮らしを守る防災・減災情報の正確、迅速な提供は公共放送の使命であります。
 今年度は、関東・東北豪雨関連のニュースや北朝鮮ミサイル発射関連のニュースなど計8件をインターネットで放送と同時に提供いたしました。また、国民的関心の高いニュースの理解増進情報として、ノーベル物理学賞受賞者の記者会見や桜島噴火の映像などを、放送とは別にリアルタイムで提供しました。
 さらに、教育分野では、学校放送番組のポータルサイト、NHK・フォー・スクールなどを通じまして、幼児、青少年向けのコンテンツを幅広く提供しているところでございます。また、様々なジャンルのスポーツを伝えることも公共放送の役割でありまして、例えば今年夏のリオデジャネイロ・オリンピックでは、リアルタイムで放送しない競技の映像、音声もネットで提供することにしております。
 今後も、公共放送にふさわしいインターネットサービスの提供に取り組んでいきたいと思います。

○又市征治君 何よりも国民の利便性を考えると同時に、何をネットで流していくかについては国民目線を配慮すべきだろうと思いますし、またオンデマンドにしても、より多くの人に利用いただくようにすべきなんだろうと思います。
 NHK予算等に対する総務大臣の意見が出されておりますが、その中でも、このインターネット活用業務の方向性について触れられています。さらに、今後の検討課題についても、情報セキュリティー、コスト、視聴者ニーズ、新サービスの可能性、市場競争への影響、受信料の公平負担との関係及び透明性の確保等々挙げられています。
 そこで、まず総務省に伺いますが、今後の放送とネットとの相互関係、相互利用についての協議、議論のスキームはどこで論議をされていくべきだと考えているのか。
 次にNHKに伺いますが、NHKの業務は放送法に当然規定されますけれども、公共放送として今後の放送とネットとの関係について、また受信料というか利用料金の在り方についても独自に調査研究することも必要だろうと思います。その点どのように考えているのか、調査研究して一定の見解、方向性を提示する場合は、やはり国民の理解を得るためには、NHKが公共放送であることが、単に形式的なことではなくて、内容的にも国民に認められることが必要かと思いますけれども、その点の認識についても併せて伺いたいと思います。

○政府参考人(今林顯一君) 先生御指摘のとおり、NHKのインターネット活用業務が、民放事業者さんと違いまして法律の根拠を必要としておりますが、これは、NHKの業務が受信料を財源としているということに鑑みまして、今お述べになりました視聴者の御理解を得るということとともに、広く公共的な役割を果たしていただく必要があるからでございます。
 受信料制度との関係でございますが、放送法第64条第1項におきまして、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定されておりまして、放送番組のインターネット配信を受信することのできるパソコン、スマホ、こういったものを設置した方には契約義務がない、したがって受信料支払の対象とされないという問題がございまして、これがまた公平負担の問題であるわけでございます。
 今、NHKにおきましてインターネット同時配信の実験をやっていただいておりますが、先生が大臣意見の中でも触れていただきましたように、こういったパソコン、スマホの問題でありますと同時に、本格化したときには、民間放送事業者さんとの競争関係のほかに、技術、ニーズ、権利処理、システム負荷、費用などについても課題となってくることが想定されております。
 したがいまして、まずはNHKにおかれましてこうした課題を検証していただき、国民・視聴者の理解が得られる形を模索していくことが必要と考えております。
 総務省としましては、何度か御説明申し上げましたが、放送を巡る諸課題に関する検討会を開催しておりまして、その中で公共放送の在り方もテーマの一つとされておりますので、このインターネット活用業務の実施状況などについても御報告をいただきながら、公共放送の今後の役割あるいは受信料制度の在り方について検討してまいりたいと思います。

○参考人(井上樹彦君) NHKのインターネット利用につきましては、経営委員会で議決されました3か年の今の経営計画において、放送と通信の融合の時代に、新しい技術を積極的に取り入れて、放送を太い幹としつつ、放送だけではなくインターネットも積極的に活用して、より多くの人々に多様な伝送路で公共性の高い情報や番組などのコンテンツを届けるというふうに記しております。
 これを受けまして、実施基準の下で先ほどからありました試験的提供というものを行いまして、同時配信の実験を行って、視聴者ニーズ、著作権の処理、あるいはそのための、実施のための経費ということについて研究を深めているところであります。今後も、有識者の専門的な知見などを踏まえつつ、NHKとして主体的に研究してまいります。視聴者・国民の理解が大事だということで、丁寧に進めてまいります。
 こうした取組と併せて、これからスマートフォンそれからパソコンで番組を視聴する、このテレビの同時配信と受信料制度との関係というのが今後の重要な課題であるというふうに我々も認識しております。この今の3か年計画に基づきまして、放送と通信の連携など、メディア環境や放送サービスの展開を踏まえて、受信料制度の在り方を研究ということも記しているところであります。
 いずれにしましても、今後は視聴者の理解がこうした制度の見直しについては非常に重要であります。様々な検証を重ねながら、有識者の専門的な知見なども踏まえまして、丁寧にこの件については研究してまいりたいというふうに考えております。

○又市征治君 NHKのネット活用については広く国民に門戸を広げた形での論議が必要でしょうし、役所主導で進めるような問題ではないということだけはNHKさんに強調しておきたいと思います。
 次に、総務省が昨年11月に設置した放送を巡る諸課題に関する検討会について伺います。
 資料によると、この検討会は、近年の技術発展やブロードバンドの普及など視聴者を取り巻く環境変化等を踏まえ、放送に関する諸課題について、一つに、日本の経済成長への貢献や市場サービスのグローバル化への対応、二つに、視聴者の利益の確保、拡大等の観点から、中長期的な展望も視野に入れつつ検討を行うということのようであります。何か漠然とした問題意識、こんなように印象を持ちます。つまり、経済的視点から放送あるいは放送産業について論じようというのか、あるいは放送、そのあるべき姿について検討するのか、どうもはっきりしません。
 そこで、この検討会設置の背景、問題意識は一体何なのか、また、過去にもこのような検討会を設置したことがあったとすれば、その検討結果はどのように施策に反映をされるようになったのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(今林顯一君) 検討会についての趣旨は先生が御指摘になったとおりでございます。様々なスマートデバイスも出ておりまして、通信、放送をめぐる環境が大きく変化しております。これを受けて、NHKさんだけでなく民間放送事業者さんの環境も随分変化しておりまして、今後の日本にどのように貢献していただくか、これは、経済問題だけでなくて、地域での情報発信の在り方、こういったことについてもお考えをいただく必要があるということで御議論をいただくこととしたものでございます。
 これまでの会合におきましては、テレビ視聴率が、接触率が低下している現状ですとか、マルチデバイス化、ネット配信などへの対応、地方の放送局の地域に密着した情報発信の役割、あるいは地方における情報発信力を強化するための放送局の経営基盤の強化などについて議論が行われたところでございます。
 それから、過去にどのような検討が行われたかということでございます。

○又市征治君 短く。

○政府参考人(今林顯一君) はい。
 二、三に限らせていただきますと、例えば平成24年11月から平成25年12月までは放送政策に関する調査研究会というものが開催されまして、平成19年の改正放送法の附則において定められておりました施行から5年後の検討ということを求められております事項を中心に議論をいただきました。この議論の結果は、平成26年の改正放送法案に反映したところでございます。具体的には、例えば国際放送の番組の国内放送事業者への提供業務の恒常化、NHKのインターネット活用業務の拡大などでございます。
 以上でございます。

○又市征治君 もうちょっと質問したかったんですが、長い説明なものだから時間が掛かって。
 いずれにしましても、NHKや民放を問わずに放送業界は自主自立的に国民の理解が得られるコンテンツを提供していくかが問われているんだろうと思うんですね。
 総務省が今後の放送業界の方向性を論議する場を提供すること自体、これには反対はしませんけれども、いかに国民にも開かれた形で議論を進めるかということが問われているということは、これは検討会への注文としては申し上げておかなきゃならぬ、こんなふうに思います。
 最後に、NHK側に申し上げたいと思いますが、不祥事が本当に相次いで、ずっとこの委員会でそんなことを議論しておらにゃいかぬということは情けない話、それも毎年続いている。ただ、私は、そういう中にあっても、国民の視聴者から厳しい批判を浴びてはいるけれども、先ほど来もありましたけれども、受信料収入は伸びている。これはなぜか。やっぱりひとえに、良質な番組を作るために日夜努力している現場の皆さんの努力、或いは受信料を納めてもらうために、それこそ体を張ってと言ってもいいぐらいに大変な努力をしている徴収員の皆さんの努力、こういうことがあるんだろうと思うんですね。
 不祥事といっても、このことで、やっぱりNHK全部が不祥事をやっているわけではないんで、残念ながら、1万人余りおいでになるんだろうと思うが、関連を含めて、その中のごく一部、だとすれば、99.99%ぐらいの人々が日夜真面目にこういう仕事をなさっている。そのことのおかげでこうなっているんだということを経営陣がしっかりと肝に銘じて、本当にその先頭に立って改革をやっていく、そして実を上げていく、こういう努力をやることを強く求めて、今日の討論を終わりたいと思います。