第190回通常国会

2016年4月25日 決算委員会



■平成26年度決算他2件
省庁別審査:財務省、国土交通省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行
@熊本・大分の大地震からの復旧・復興に向けた補正予算の規模・内容は、どういうものか。経済対策分も盛り込むつもりか、その場合の財源はどうなるのか。
A現在の経済状況のもとで、消費税を予定通り10%に引き上げることが可能と考えているのか。
B甘利議員の一連の現金授受問題で、国交省が東京地検特捜部の要請を受けて、メール等関係書類を地検に提出したようだが、それは事実か。事実とすれば何を提出したのか。また、国交省職員が任意で事情聴取を受けたことは事実か。事実であれば、この甘利議員の金銭授受問題で、任意とは言え特捜部から資料提出や事情聴取の要請を受けたことについて、大臣の見解は。
C資料を出したかどうかも答弁できないというのは、国会軽視だ。
DUR職員が道路工事の補償交渉をしていた建設会社の担当者から総額約100万円近くの接待を受けていたようだが、URにこの件に関する調査について具体的にどのように指示したのか。
E12年4月の関越道のツアーバス事故を受けて、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」を作成し実施したが、どのように改善されたのか。
F1月の軽井沢でのスキーバス事故後、観光庁が旅行業者に対する立入検査をおこなったが、その結果をどのように評価しているのか。国交省も貸切バス事業者に対する街頭検査を行ったが、その結果をどう考えるか。
G国交省は軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を立ち上げて、委員会は先月、中間整理をまとめたが、その内容はどういうものか。
H国交省は、事故があるたびに委員会を立ち上げて事故を検証し対策を立ててきたが、事故の再発を防げていない。この点についてどのように認識しているのか。
I会計検査院は、土砂災害対策に係る事業の実施状況について検査を行なったが、検査を行った意図と検査結果は、どういうものか。
Jこの検査院の所見を受けて、国交省として今後どのような対策を進めていくつもりなのか。


○又市征治君 社民党の又市です。
 初めに、麻生大臣にお伺いをしたいと思います。
 熊本、大分などで大地震が発生して10日余りが経過いたしました。被害が甚大でありますから、復旧復興に向けて今国会で補正予算を編成されるというお話でありますけれども、その規模、内容等、現時点ではどのようにお考えか。
 また一方で、日本経済自体がとても好循環に乗っているとは言い難い、こういう状況で、むしろ不透明感が強まっており経済対策が必要だ、こういう声も聞こえてまいりますけれども、補正予算ではその分も含めるお考えなのか、その場合の財源の手当てについてもどのようにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、総理の方から、熊本地震に対応するため補正予算の編成についての指示があっております。
 この補正予算によりまして、住居の確保、被災者支援等に要する経費に対応させていただくとともに、熊本地震復旧等予備費を創設させていただいて、今後、被災者の方々の事業再建、道路、施設などのインフラ復旧、瓦れき処理等々を迅速に進めてまいります。総理の方からは速やかに国会に提出するようにと指示を受けておりまして、5月中旬の国会提出というのを目指して作業を進めてまいりたいと思っております。
 当面のいわゆる避難生活に必要となります物資については、まずは20日に、28年度予算に計上されております予備費3500億円のうちから23億円を使用を決定したところでありますが、この予備費と併せまして補正予算の編成をするということで、被災者の支援、被災地の迅速な復旧に向けて万全を期してまいりたいと思っております。
 今、経済についての経済対策も併せて必要ではないかという御指摘があっておりましたが、日本経済につきましては、企業収益は御存じのとおり過去最高を記録しておりますし、有効求人倍率は24年ぶりに高水準等々、これはファンダメンタルズと言われるものは極めて確かなものだと認識をしておりますので、したがいまして、現時点で新たに経済対策を今回の補正予算に併せて作成するということは考えておりません。
 また、熊本地震の影響もこれ注意する必要があることはもうはっきりいたしておりますけれども、私どもとしては、今回、この中でこの予算というものをできるだけ速やかにお届けをされるような状況にいたすためにも、今回の経済対策とかいったものをこの中に含めて提出するつもりはございません。

○又市征治君 後段の部分、経済のファンダメンタルズは健全だと、こうおっしゃっているわけですが、賃上げで個人消費を増大させて経済の好循環を実現すると、これは社会的な合意に今やなったんだと思うんですが、経営側は必ずしもそうではなくて、内部留保をため込むことばかりで、賃上げにやっぱり消極的であった今年の春闘を見てもそんな格好です。ですから、実質賃金も消費支出も低迷をしたまま、こういうことですし、またいわゆるマイナス金利そのものが金融界に動揺を与えて賃上げにはマイナスに作用したのではないのか、こういう気がいたします。経済の不透明感がちょっと拭えないんではないか、大臣の方はちょっと楽観的過ぎるんじゃないのかという気がしないでもありません。
 そこで、この震災以前から、総理は来年4月からの消費増税を再延期するのでは、こういう見方が出ておりました。また、最近、自民党内から、1%刻みの増税論もあるんじゃないのか、こういう話も出てきた。財務大臣は、今後の経済状況を見通した上でこの4月からの消費増税は可能だ、こういうふうにお考えかどうか、この点をお聞きをいたします。

○国務大臣(麻生太郎君) これは度々申し上げておりますように、このファンダメンタルズは極めてしっかりしておると、間違いなくそう思っておりますので、10%に2%引き上げるということに関しましては、これは元々3党合意でなされたときに、我々の持っております社会保険制度やら国民皆保険制度等々の社会保障を今後とも確実に次の世代に送れるというようにする状況をつくり出していくためにも、みんなで、社会保障については全員でこの痛みを分かち合うということで、税と社会保障の一体改革ということでこれはスタートしておりますので、私どもとしては、これをきちんと今後とも引き渡していく責任を果たすと同時に、これは国際的な信用でも、国際社会に対しても発信をいたしておりますので、その信認を確保するためにもきちんとした形で今行おうとしている、予定どおりにさせていただこうと思っております。
 1%刻み等々お話がよくなされておりますけれども、ドン・キホーテなんかで1%毎年やられたらそれだけで経費が上がってたまらぬだろうなと。元商売をやった経験がない人がそんなことを言うので、商売をやった経験者がそんなことは逆立ちしても言いませんなと、私はいつもそういったことを言う人に、自分でやったことないだろう、商売って、僕はいつもからかうんですけれども。1%というような話ができるというのは、これは日本人の場合はきちんと張ってやるという性格ですから、それはそうじゃない性格の人もいらっしゃいます、世の中には、いろんな国の方がいらっしゃいますので、そういう方は簡単にそうおっしゃいますけれども、なかなか日本じゃさようなわけにはいかぬだろうと思っております。

○又市征治君 しかし、総理肝煎りの国際金融経済分析会合ですか、でも消費増税に対しては賛否真っ二つ、こういうふうに指摘をされています。
 私どもは、国民生活と経済の改善、回復の観点からは増税は中止をすべきだ、逆に法人税減税も中止すべきだ、こんなふうに思っております。そのことだけは申し上げておきたいと思います。
 麻生大臣には、私はここまでですので、御退席いただいて結構です。

○委員長(小泉昭男君) 麻生大臣、御退席されて結構でございます。

○又市征治君 さて、甘利前大臣の疑惑に関してお伺いしますが、甘利前大臣は1月末の辞任会見で、しかるべき時期に疑惑に関する調査結果を公表する、こう言われたんですが、その後、全く音沙汰なしであります。ですから、この委員会でも、甘利議員、その関係者の証人喚問が何人かからも求められてきました。
 報道によると、甘利議員の一連の現金授受問題で、国交省が東京地検特捜部の要請を受けて、メール等関係書類を地検に提出したとのことであります。それは事実なのか、事実とすれば何を提出されたのか。また、国交省職員が任意で事情聴取を受けたことは事実なのか。まずこの点はお伺いいたしますが、事実であれば、この甘利議員の金銭授受問題で、任意とはいえ特捜部から資料提出や事情聴取の要請を受けたことについて大臣の御見解はいかがか。以上、お伺いをいたします。

○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省に対しましては、先月、3月の中旬に捜査当局からの協力要請がございました。国土交通省としては、捜査に最大限御協力してきております。
 また、資料の提出など協力の内容につきましては、捜査に関わることでございますので、資料の提出の有無も含めてお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

○又市征治君 4月10日に、ある全国紙が、国交省が地検特捜部の要請を受けてメールのやり取りなど関係する資料を任意で提出したことが関係者への取材で分かった、こう報道しているわけですね。しかし、今大臣は、資料を提出したかどうかも答弁できない、こうおっしゃる。マスコミにここまで報じられているものを、国会では全く何も言わない、これは何ぼ何でも国会軽視も甚だしいと言わざるを得ないんじゃないですか。
 委員長、この点については余り深く突っ込みません。国交省がどのような捜査協力を依頼されて、どう応じたのか。資料の中身まで具体的に私は聞いているんじゃないんです。少なくとも、そういう資料なども提出したのかどうか、このことについて委員会に提出するように求めていただきたいと思います。


○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議をいたします。

○又市征治君 先ほど清水議員からも御指摘がございましたURの職員の接待問題でありますけれども、UR職員が道路工事の補償交渉をしていた建設会社の担当者から総額約100万円近くの接待を受けていたということですけれども、これについて国交省はURから、先ほど大臣からは報告を受けたということでありました。
 また、URにこの件に関する調査、具体的にどのように御指示になられたのか、再確認ということになろうかと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 4月の13日にURから職員によるコンプライアンス違反が公表されました。本件は極めて不適切な行為であり、国民の信頼を失うような事態が生じたことは大変遺憾であります。
 4月の11日に本件について事務方から報告を受けるとともに、4月の13日には、今後改めて第三者による調査を行い、その結果を踏まえ、該当する職員については内規に基づき厳正かつ適切に対処するとのURの方針について事務方から報告を受けました。
 これを受けて私からは、調査等、適切に行うとともに、二度とこうした事態が起きないよう再発を防止するための措置を講じ、その内容を報告するよう指示したところであります。この指示につきましては、4月の13日に住宅局長を通じて伝達をした上で、その翌日、4月の14日、URの理事長と会いまして、改めて私から直接指示をしております。URにおいては、徹底した調査を行い、国民の信頼を回復していただきたいと考えております。

○又市征治君 先ほどありましたように、国会での審議に余り、非協力的な国交省が、真相究明とか再発防止と言う資格があるのかなと、釈然としないものはありますが、いずれにしても、徹底した調査を求め、明らかにするように求めておきたいと思います。
 次に、今年1月の軽井沢のスキーバス事故の問題ですが、多くの人命が失われて多数の負傷者を出しました。改めて、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りすると同時に、負傷された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、この貸切りバスによる事故は、2000年に事業者の参入が規制緩和されてからどうも増大してきている、こういう傾向にあります。2007年には大阪でのスキーツアーバスがモノレールの橋脚に衝突した大きな事故があり、2012年4月の関越道での高速ツアーバスが道路脇の防音壁に衝突して7人の方が亡くなった事故などというのは記憶に新しいところであります。
 国交省は、この関越道の事故を受けて、同年10月にバス事業のあり方検討会を設置をして、翌年4月に報告書をまとめ、これを基に高速・貸切バスの安全・安心回復プランというものを作成をし、2013年、14年にこれを実施したということでありますけれども、この安全・安心回復プランというのはどういうものなのか、どのように改善をされたのか、この要点をお尋ねをいたします。

○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、平成24年に死者7名を出す関越道におけるツアーバスの事故が発生をしております。これを受けまして、国交省は、平成25年4月に高速・貸切バスの安全・安心回復プランを策定し、事故防止対策を総括的にまとめて実施に移しているところでございます。
 これの主な中身につきまして、まず、長距離運行バスに係る交代運転者の配置基準、これを見直しを行いました。これにより、1人の運転手が過労によって運転をし事故を起こすといった過労運転の防止を図ろうとしているところでございます。さらに、安全コストを反映した新運賃・料金制度を導入し、事業者の安全投資を促進するとともに、運転者の待遇改善を図るといった取組も進めているところでございます。
 その他、私どもの事業者に対する監査の中に、街頭監査、これは、出発前のバスに直接乗り入れて安全運行がしっかり担保されているかを直接確認するものでございますけれども、こういったものを新設するなど、安全性のチェックを図ってきているところでございます。

○又市征治君 そうした対策にもかかわらず、また事故が起きたわけですよね。
 そこで、軽井沢の事故後、観光庁が旅行業者に対する集中的な立入検査を行ったようですが、この結果、観光庁はどのように評価をされているのか、また、これまでこのような立入検査はどのように行われてきたのかも伺いたいと思います。
 一方で、国交省も、事故を受けて、貸切りバス事業者に対する今あった街頭検査を実施して、242台に監査を行って、86台に法令違反を確認したとのことですけれども、3割以上の車両が法令違反というのは異常な事態だというふうに思うんですが、国交省の評価はどういうものなのか。
 これらの検査とは別に、国交省は軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を立ち上げて、委員会は先月、中間整理をまとめられておりますけれども、その内容も簡単にお答えいただきたいと思います。


○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。
 観光庁におきましては、本年1月下旬から3月中旬にかけまして86事業者に立入検査を実施いたしまして、その結果、運賃が記載された運送引受書等の記載や保存に関わる不備等の違反が31事業者、延べ42件見付かりまして、直ちに是正を指示して改善させたところでございます。
 今回の違反というのは軽微ではございますけれども、違反事案が少なからず見付かったことは大変残念でございますし、指導を受けた旅行業者各社におかれましては、法令遵守に努め、適切な対応を取っていただきたいというふうに考えているところでございます。

○政府参考人(藤井直樹君) 引き続きまして、街頭監査の概要について申し上げます。
 これにつきましては、軽井沢事故の後、1月21日、新宿を皮切りに、3月中旬にかけて全国の貸切りバス乗り場38か所で実施をいたしました。その結果、委員御指摘のとおり、242台中86台に運行指示書の記載不備、車内表示の不備等の違反が見付かっているところでございます。重大な事故の後にもかかわらずこのように多くの法令違反が見られたことは、私ども大変遺憾であると考えております。
 これにつきましては、こういった事項のチェックシートを作り、運行前の最終確認を徹底する、さらには、こういった事業者を私ども呼出しをいたしまして、全て改善したことを確認をするといった対応を取っております。ゴールデンウイーク等の多客期を迎えて、街頭監査を引き続き実施し、法令遵守の徹底を図ってまいります。
 それから、スキーバス、軽井沢の事故を受けました私どもの対策検討委員会でございますけれども、これは1月29日に会合を初めて開催しまして、2か月間で中間整理を取りまとめ、3月29日に発表したところでございます。
 具体的な取組としましては、悪質な事業者への厳格な処分、利用者への貸切りバスの事業者名の提供、新規の雇入れ運転者への実技訓練の義務付け、ドライブレコーダー装着の義務付けなど、実施可能なものから速やかに実行に移していくこと。さらには、事業参入時の要件強化、ランドオペレーターに対する法規制の仕組みの構築、運行管理者の在り方の見直しなど、引き続き検討すべき事項について議論を行い、これにつきましては夏までに再発防止に向けた総合的な対策を取りまとめることとしているところでございます。

○又市征治君 中間整理で安全性の見える化ということがうたわれておりますけれども、そもそも安全性が危うい業者がいること自体が問題なわけで、見える化が行き過ぎるとその業者を選んだ利用者の自己責任ということになりかねませんから、そういうことのないようにしっかりやっていただきたいと思います。
 そこで、国交省は、事故があるたびに委員会を立ち上げて事故を検証し、対策を立ててきたわけですが、しかし事故の再発は防げない、甚大な被害を生み出してしまう、このようなことを繰り返しているわけですが、大臣、ここらのところをどのように御認識なさっていますか。

○国務大臣(石井啓一君) 長距離観光バスの安全に関しましては、平成24年4月の関越道高速ツアーバス事故等を踏まえまして、長距離運行バスに係る交代運転者の配置基準の見直し、安全コストを反映した新運賃・料金制度の導入、街頭監査の導入等の対策を講じてきたところであります。それにもかかわらず今回の軽井沢における事故が起きたことについては、大変深刻に受け止めております。
 今回の事故を起こした会社は、新運賃・料金制度における下限運賃を遵守していなかったこと、事故後の特別監査におきましても多数の法令違反が確認をされたこと等を踏まえまして、貸切りバス事業者に対して改めて安全確保に係るルール遵守の徹底を図ってまいります。
 さらに、国土交通省におきましては、今回の事故を受けて、有識者から成る軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を設置し、3月29日に中間報告を取りまとめました。この報告の中で速やかに講ずべき事項とされた施策について速やかに実施していくとともに、今後具体化を図るべき事項や引き続き検討すべき事項とされた事項につきましても、検討委員会での議論を踏まえまして、今年の夏までには今回の事故を踏まえて総合的な対策を取りまとめ、逐次実施に移してまいります。
 軽井沢のような悲惨な事故を2度と起こさないよう、安全対策を徹底してまいりたいと考えております。

○又市征治君 これは国交省だけに限らないんですが、政府全体が規制緩和で経済が活性化するという神話に取りつかれているのではないのか。規制緩和による企業の競争激化というのは、結局は商品の安売り合戦に行き着いて、その業界で働く労働者を疲弊させる、あるいは低賃金を押し付ける、こういう格好になって、政治の基本である国民の安全、安心の確保を損ねていく、こういう事態が多いわけです。そのことをちゃんと理解して反省することが必要であって、総合対策、何々対策、何々対策といろいろと打っても、結局は根本のところは直らないということを言わなきゃならぬと思うんです。
 国交省について申し上げるならば、監査担当職員というのは約360人だそうで、立入検査を行う事業所は1年に全体の1割程度だそうですよね。対策を立てても、それを監査することができなけりゃ絵に描いた餅ということになるわけで、その点も含めて、改善策、大臣、是非しっかりとやっていただくように要請をしておきたいと思います。
 次に、時間がなくなってまいりましたから飛ばしながらお聞きいたしますが、土砂災害の問題について、会計検査院は土砂災害対策に係る事業の実施状況について検査を行われました。最近は予想を超える豪雨によって各地で土砂災害が発生し、大きな被害が出ており、国民からも大きな関心が寄せられているわけですから、この検査は歓迎したいと思いますけれども、検査院がこの検査を行った意図と検査結果、簡潔に御説明いただきたいと思います。

○説明員(須藤晋君) お答えいたします。
 まず、検査を実施した理由、背景でございますが、近年、市街化地域の拡大に伴い土砂災害の危険性の高い箇所において住宅等が立地している場合には、局地的な集中豪雨等により、多大な被害が生ずることが想定されます。このようなことから、土砂災害の危険性の高い箇所については、ソフト対策と連携して限られた予算の中でハード対策を着実に実施していくことが重要であります。会計検査院は、以上のような状況等を踏まえまして、土砂災害対策に係る事業について検査を実施し、その状況を取りまとめ、会計検査院法第30条の2の規定に基づき、平成27年9月に国会及び内閣に報告いたしました。
 次に、検査の結果でございますが、人口集中地区を含む警戒区域で砂防関係施設が未整備である区域が多数見受けられたり、事業の採択後に用地交渉が未了であるなどの理由で工事が5年以上未着手となっている事業が砂防事業等の34事業となっていたり、26年度における定期点検の点検割合が砂防設備で27.7%などとなっていたり、除石管理型砂防堰堤について除石を行う際に必要な管理用道路が整備されていないものなどが見受けられたりなどする状況となってございました。
 以上です。

○又市征治君 検査院の所見において、砂防対策整備に当たっての優先順位の検討、対策事業が採択されたら速やかに着手すること、砂防施設の定期点検の実施等を求めているわけですけれども、また、31年までに都道府県が基礎調査を終了する予定であることから、今後の対策の進展を注視する、こんなふうに検査院は述べておられますが、この検査院の所見を受けて国交省として今後どのような対策を進めていくおつもりなのか、簡潔にこれについてもお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
 今回、会計検査院において、都道府県が実施する土砂災害対策について調査が実施されました。調査の結果、基礎調査が確実に実施されるよう努めるとともに、都道府県が行う砂防関係施設について一層効率的に整備し、施設の維持管理をより適切に行うよう努める必要があるとの国会報告がなされたところでございます。
 国土交通省といたしましては、土砂災害防止法等のソフト対策と砂防堰堤等の整備等によるハード対策を効率的に実施してきたところでございますが、会計検査院の意見を踏まえて取組を一層推進する必要性を認識しているところでございます。
 今後の対応でございますが、ソフト対策といたしましては、基礎調査について全ての都道府県において平成31年度末までに調査を完了する予定であり、防災・安全交付金の活用等により都道府県を支援してまいります。また、ハード対策につきましては、会計検査院は4つの事項について御指摘がありましたので、これを踏まえまして、人命を守る効果が高い箇所等の砂防堰堤の整備等を計画的、効率的に進めてまいります。
 今後とも、引き続き都道府県において事業が適切に行われるよう一層努めてまいります。

○又市征治君 国民の安全、安心な生活のために積極的な施策を要請し、時間が参りましたので、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。