第190回通常国会

2016年5月23日 決算委員会



■平成26年度決算他2件など 締めくくり総括質疑
@本土復帰後の沖縄で、米軍関係者が引き起こした婦女暴行事件や殺人事件などの凶悪事件は、何件起きているのか。
A凶悪犯罪に対して政府は怒ったふりだけをしている、米国は謝ったふりだけをしている、同じパターンの繰り返しではないかと怒りが渦巻いている。総理、これについてはどうお答えになるか。
B日本における米軍関係の犯罪行為には日本の法律がしっかり適用できるように、速やかに日米地位協定の抜本的な改正を図る意思が総理にあるのかどうかを伺う。
C2月の衆議院予算委員会に示された、特定秘密の提供に関する政府の統一見解について御説明いただきたい。また、検査院はこの政府統一見解をどのように評価されているのか。
D政府の統一見解である特定秘密法第10条第1項は、会計検査院に対しても適用される。つまり行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めた時に限り提供するという内容である。つまり憲法よりも下位の法規範である特定秘密保護法によって、憲法上定められた会計検査院の検査権限を制限している。それはまさに憲法90条及び98条第1項に照らして違憲無効ではないのか。総理はどのようにお考えか。
E福島原発事故以来、原子力災害対策に支出される財政支援の規模は拡大しているが、その具体的な課題、目的は何なのか。
F会計検査院は、オフサイトセンターの整備状況や放射線防護対策事業の実施状況などについて報告をしているが、放射線測定器の整備、活用状況について報告していただきたい。


○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、沖縄における米軍関係の犯罪についてお尋ねをしたいと思います。
 本土復帰後の沖縄で米軍関係者が引き起こした婦女暴行事件や殺人事件などの凶悪事件、何件起きているのか、
まずお聞きをします。

○政府参考人(三浦正充君) お答えをいたします。
 警察庁及び沖縄県警察の犯罪統計で確認できる範囲では、沖縄の本土復帰以降、平成28年4月末までの間、凶悪犯罪の被疑者として米軍関係者を沖縄県警察が検挙したものの件数は575件であります。

○又市征治君 安倍総理は、今回の痛ましい暴行殺人事件に対して、今後、徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたいと。毎回同じ発言の繰り返しでしかないんじゃないかと、こう思いましたが、だから沖縄では大変な怒りが広がり、多くの国民も、今ありましたように575件も発生しているのに、政府は怒ったふりだけしている、米国は謝ったふりだけをしている、同じパターンの繰り返しではないか、こういった怒りが渦巻いていると、こう報じられています。
 総理、これについてはどうお答えになりますか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の事件は、あってはならないものであります。身勝手で卑劣極まる凶行であったと思います。非常に強い憤りを覚えます。また、御遺族に対して改めて心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 政府としても真剣に受け止め、逮捕直後の19日深夜にケネディ大使を呼び出し、岸田大臣から強く抗議するとともに、21日にも中谷大臣がカーター国防長官に電話で強く抗議をいたしました。カーター国防長官も、今回の事件は極めて遺憾であり、亡くなられた被害者と御遺族に対して心からの謝罪の意を表したい、捜査に全面的に協力したい、再発防止に全力を挙げる旨述べるなど、米側は本件を極めて深刻に受け止めているわけであります。
 米側には綱紀粛正と再発防止の徹底を強く求めておりますが、政府としても、米国側に具体的かつ実効性のある再発防止を求めていく考えでございます。

○又市征治君 結局、同じようなことをずっとやっぱり言われてきたわけですよ、これまでも。
 そこで、日本における米軍関係の犯罪行為には日本の法律がしっかり適用できるようにしようじゃありませんかと我々は何度も提案してきた。しかし、政府の側がこれを拒否されてきた。速やかに日米地位協定の抜本的な改正を図る、その御意思、総理にあるのかどうか、その点を伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地位協定につきましては、我々、米側に対して、これはもう相手があることでございます。その中で、言わば実質的にこの改善を積み重ねてきたところでございます。事実上、地位協定についてはほとんど指一本触れることができなかったのでありますが、環境の分野においては、初めて、先般、事実上の新たな協定ができたと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、大切なことは、しっかりと再発防止に全力を挙げていく、それが実効性のあるものとなるように、我々も強く求めていきたいと考えております。

○又市征治君 再発防止と申されてきて575件なんですよ。基地ある限り、今後も事件や事故の犠牲者が出るおそれはこの事実が証明している。だからそのことを申し上げている。とすれば、基地の縮小、撤去を求めるのは当たり前のことです。まして、今問題になっている普天間の辺野古へのたらい回しなんて、私どもは論外だと思う。社民党は沖縄県民とともにその闘いを更に強めていく、その決意だけここでは申し上げておきたいと思います。
 次に、会計検査院への特定秘密の提供に関する政府の統一見解について伺ってまいります。
 私はこの問題について本委員会で1月にも質疑したんですが、その際、河戸検査院長は、特定秘密保護法によって資料の提出を拒まれる懸念があったので条文の修正を求めたが、内調から、秘密事項の提供に関する取扱いは特定秘密保護法の施行により変化がないと説明を受けたと答弁をされた。また、田中政府参考人は、特定秘密を検査院に提出することになる場合は検査官も適性評価を受ける対象になるのかという私の問いに対して、特定秘密保護のための措置を講ずること等の要件を満たしているかを確認し、特定秘密を提供することになる、こう答弁をしました。
 そこで伺いますが、2月の衆議院予算委員会に示された特定秘密の提供に関する政府の統一見解の内容、このことについて御説明いただきたい。また、検査院はこの政府統一見解をどのように評価されているのか。それぞれお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(岩城光英君) お答えをいたします。
 2月の12日及び24日、2回にわたりまして政府統一見解を出させていただいておりますが、その2つの内容でよろしいですか。
 2月12日の統一見解でありますけど、これは、特定秘密保護法第10条第1項第1号の場合における特定秘密の提供は、会計検査院を含む全ての相手方について、行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに限り行われるとされます。
 特定秘密の提供には同号が一般的に適用されます。その上で、会計検査院の検査に必要な資料の提供を法第10条第1項第1号に沿って検討する際に、「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。」という同号の限定が具体的に適用され、その結果、特定秘密の提供が行われないことはおよそ考えられない、こういった趣旨でございます。(発言する者あり)よろしいですか、それだけで。

○会計検査院長(河戸光彦君) 政府統一見解によりますと、会計検査院の検査に必要な資料の提供を特定秘密保護法第10条第1項第1号に沿って検討する際に、「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。」という同号の限定が具体的に適用され、その結果、特定秘密の提供が行われないことはおよそ考えられないとのことでございます。
 したがいまして、検査に必要があるとして会計検査院が要求した場合には、各行政機関から特定秘密が適切に提供されると考えております。

○又市征治君 私は、今運用の問題を聞いているんじゃないんですね。この政府の統一見解は、つまり、法第10条第1項は会計検査院に対しても適用される、行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに限り提供すると、こういうことなんですよね。
 一方で、憲法第90条第1項は、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と規定しており、これを受けて検査院法第26条は、「検査上の必要により検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる。この場合において、帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出の求めを受け、又は質問され若しくは出頭の求めを受けたものは、これに応じなければならない。」と、こう規定しているわけですね。
 こう見ると、憲法よりも下位の法規範である特定秘密保護法によって、憲法上定められた会計検査院の検査権限を制限する、こういうことにその政府見解はなるんではないのか、それはまさに憲法90条及び98条第1項に照らして違憲無効ではないのか、このことを実は今問うているわけです。その点について、総理、どのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(岩城光英君) 憲法第90条と会計検査院法第26条に関わるおただしでございます。
 政府は憲法上の会計検査院の役割の重要性については十分に認識しておりまして、会計検査院への秘密事項の提供に関する取扱いについては、特定秘密保護法の施行により従来と何らの変更が生ずるものではないということでございます。
 すなわち、会計検査院の検査に必要な資料の提供は、公益上特に必要と認められる業務を行う者への特定秘密の提供を定める法第10条第1項第1号を根拠として行われるところであり、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに限り提供されるという限定が法文上適用されることとなるものの、実際にこの規定により特定秘密の提供が行われないということは実務上およそ考えられません。御指摘の政府統一見解はこの趣旨を述べたものであります。
 それで、従来の取扱いと何ら変更がないことにつきましては、内閣官房におきまして、一昨年12月の法の施行前に、法の逐条解説に関する資料において各行政機関に通知し、さらに昨年末、改めて関係行政機関に徹底したところでございます。
 このように、特定秘密保護法の施行により特定秘密であることを理由として検査上の必要があるとして求められた資料の提出がなされないという問題は生じないものと考えておりまして、憲法第90条に違反するものではないと、そのように考えております。

○又市征治君 その辺はちょっと見解を異にしますから、また引き続きやりたいと思いますが、いずれにしても、憲法上規定をされた会計検査院の権能をどうもこの特定秘密保護法10条は侵している、私はそのように思いますから、更に論議をしていきたいと思います。
 時間の関係で次に移ります。
 次に、福島原発事故以来、原子力災害対策に支出される財政支援の規模は拡大してきているわけですが、それがどのような具体的な課題、目的でなのか、この点、丸川大臣から御説明いただきます。

○国務大臣(丸川珠代君) 福島の事故後、一番大きく変わった点は、あらかじめ用意をしておく部分というのが8キロから10キロ、事故前はそういう想定であったのが、30キロと広がったという点でございます。
 原子力防災対策については、福島事故の教訓や、IAEAの国際基準に基づいて平成24年に原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に基づいて、事故後に抜本的に強化をいたしました。
 具体的には、防災対策の重点区域がおおむね8キロから10キロと狭かったこと、事前の準備を行うべき範囲が不十分であったことを踏まえ、おおむね30キロに拡大をし、あらかじめ避難先、避難経路、移動手段を準備、設定しておくこと。また、要配慮者の無理な避難に伴う問題があったということを踏まえまして、早期の段階から要配慮者の避難をPAZ内については開始をすること、その際には、十分なケアができる施設を避難先として、移動手段も体調に応じたものにすることにしたこと。それから、放射性物質放出前の段階、全面緊急事態ではPAZ内の一般住民は避難を開始して、一方で、UPZですから5キロから外30キロまでの範囲の住民の皆様は屋内退避を行うと。この屋内退避する放射線防護対策施設の整備等についても自治体への支援等を強化しております。
 そして……(発言する者あり)よろしいですか。はい、ありがとうございます。

○又市征治君 そこで会計検査院に伺いますが、今、丸川大臣がおっしゃったような内容を含めてあるんですが、検査院は、オフサイトセンターの整備状況であるとか放射線防護対策事業の実施状況など何点か報告をいただいているわけですが、放射線測定器の整備、活用状況について御報告いただきたいと思います。

○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、「原子力災害対策に係る施設等の整備等の状況について」について検査を実施し、その状況を取りまとめて平成28年4月に会計検査院法第30条の2の規定に基づき国会及び内閣に対して報告しております。
 検査の結果でございますが、お尋ねの放射線測定器の活用状況について説明しますと、周辺対策交付金により購入した放射線測定器は、住民への説明会等を通じて放射線に関する知識の普及啓発に活用することになっておりまして、18道府県において計8,672台を計8億9537万余円で購入しておりました。しかし、予定していた配備先に配備せずに庁舎の倉庫等に保管したままにしていたところや、緊急時のみに活用することとしていることにより、放射線測定器の全部又は一部を普及啓発に活用しないとしている道府県が見受けられました。また、放射線測定器8,672台中6,729台は、27年9月末までに一度も普及啓発に活用されておりませんでした。また、道府県が緊急時に活用するとしている放射線測定器計4,107台のうち3,508台については、配備先等において具体的な活用方法が定められておりませんでした。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見でございますが、内閣府は、立地道県及び隣接府県に対して、周辺対策交付金により購入した放射線測定器を普及啓発のために活用するとともに、緊急時にも活用することができることを周知して、その有効活用を図ることなどに留意して、立地道県等に対する財政支援等の支援を実施する必要があると考えております。

○又市征治君 時間が参りましたからまとめますが、今の報告あったように惨たんたる状況ですよ。
 だから、前回も私は指摘したんですが、京都府が高浜原発から30キロ圏内の41か所にモニタリングポストを設置する計画だったけれども、2月末時点で66%、27か所に未設置だった、にもかかわらず高浜原発は稼働してしまった、こういうふうに京都府は怒っているわけでしょう。そして、今あったように、こうした測定器が配置される予定だ、倉庫に眠っています、こんなばかなことをやっておって、安全対策やったという話になりませんよ。
 徹底的にやはりそういう意味ではこの点検をしっかりとやるように強く求めて、今日は質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。