テロ対策に便乗した海上保安庁法の一部改正法案に反対する

2001.10.10.
1. 10月10日、テロ対策特別措置法案、自衛隊法一部改正案とともに海上保安庁法一部改正案が上程された。いわゆるテロ対策関連法案としてである。
 この海上保安庁法一部改正案が上程された背景には、99年3月の能登半島沖の不審船問題があり、これを契機に99年6月の関係閣僚会議で、「不審船を停船させ、立入検査を行うという目的を十分達成するとの観点から、(中略)危害射撃のあり方を中心に法的な整備を含め検討」するとしてきたことがある。

2. 改正案の概要は、「適確な立入検査を実施する目的で停船させるための最終的な実力手段として行う不審船に対する射撃について、人に危害を与えたとしても、法律に基づく正当行為としてその違法性が阻却される(これにより、危害射撃が許容される)よう、所要の規定を整備する」というものである。そしてこの規定は、「自衛隊法においても、海上警備行動等発令時における権限として、準用する改正が含まれている」のである。

3. 今回の改正案に盛り込まれている危害射撃の容認は、「警備体制の充実」を踏み越えた内容であり、以下の問題点から、この改正案には反対する。
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不審船の停船と立入検査のために「海上の警察」である海上保安庁に危害射撃を容認することは、警察活動を超え、軍隊並の「武力行使」を行うことにつながり、海上保安庁法第25条の「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」の趣旨に照らしても問題である。
A
今回の改正案は、第一義的は「不審船」対策としているが、現時点においては、小泉内閣の進める「テロ対策」・自衛隊強化策の一環であることは明らかである。
B
特に、今回の改正案の内容が自衛隊法改正案で準用されることにより、海上保安庁以上の装備を持つ自衛隊の海上警備行動の際の危害射撃を容認することになる。
以  上