2006.10.10

1.  安倍首相は10月8〜9日にかけて中国と韓国を訪問し、首脳会談を行った。
 小泉前首相の度重なる靖国参拝によって両国との関係は極度に悪化してきた。安倍首相が就任早々に訪中・訪韓し、それぞれ両国との関係の重要性を確認し、首脳同士の往復外交に合意したことは、隣国として当然のこととは言え、たいへん意義があった。

2.  しかし、安倍首相のアジア外交には危惧と不安がつきまとう。
 これまで安倍氏は、過去の日本の侵略や植民地支配を認めず、従軍慰安婦の存在と強制も否定し、繰り返し首相の靖国神社参拝などを主張してきた。そのため、首相就任の所信表明に対する国会質問で相当の時間がこれに割かれた。その質疑を通して、侵略と植民地支配を謝罪した村山総理談話(95年)や従軍慰安婦に関する河野官房長官談話(93年)については「私を含めて政府として受け継いでいる」としぶしぶ軌道修正したが、靖国参拝については「行くか行かないかは言及しないことにしている」と、あいまいな答弁に終始しているからである。

3.  今回の訪中・訪韓中に北朝鮮が地下核実験を実施したと発表し、北東アジアに緊張が高まった。我々はあらゆる国のあらゆる核実験に反対であるとともに「日朝平壌宣言」や「6か国共同声明」に違背するこの核実験に断固抗議する。それだけに両国と緊密に連携を取って信頼関係を深め、北朝鮮の愚行を抑えていくことも重要である。
 今回の訪中・訪韓を機に良好な信頼関係が築かれることを期待する。そのためにも、靖国参拝について「政治的困難を克服するために適切に対処していきたい」と約束したことを違えたり、閣僚の中から歴史認識などで両国国民の感情を傷つける発言が出ることのないよう、厳しく律すべきである。



以 上