− 参議院での政府予算案審議に当たって −

2008.3.10

1.  政府・与党は、2月29日、野党が反対する中、衆議院本会議で2008 年度予算案と関連法案を強行採決した。これは、道路特定財源及び道路中期計画のいい加減さがあらわとなり、またイージス艦事故を巡る防衛省の隠蔽疑惑が深まり、さらに原油高騰や生活物価上昇に対する国民生活改善策が無策であるなど、山積する問題の究明を政府・与党が恐れ、審議を打ち切ったものである。つまり野党が審議続行を求め、与党が審議拒否をしたのである。
 現在、強行採決の謝罪と参議院におけるルール作りを図っているが、早晩審議が始まる参議院では、与野党逆転を活かして徹底審議を図り、政府予算案の組み替え・修正を含めて政府・与党を追い込んでいく。


2.
 政府は、今後10年間で59兆円の巨費を投ずる「道路の中期計画」を打ち出し、そのために、この3月末で切れる暫定税率をさらに10年間延長するとしている。この「暫定」は30年以上も続いている。
 しかし、衆議院での野党側の追及で、(1)当初、65兆円の素案が59兆円になった経緯や59兆円の根拠があいまいである(将来交通需要の推計が古い、費用対効果を考慮しない路線、「1.4万キロの高速道路建設」は21年前の閣議決定、「公共事業3%削減」を適用すれば59兆円は45兆円で済むなど)、(2)道路特定財源を既得権益化して無駄遣いしている(暫定二車線による高コスト構造、国交省外郭56団体に1285人が天下り年間約1900億円補助金支出、全国14か所に駐車場を造成し赤字垂れ流し、道路整備啓発ミュージカル80回上演で5.3億円支出、米軍住宅移転に巨額の特定財源支出、健康器具やカラオケ機器の購入など)が次々と明らかになったが、政府からは納得いく説明がまったく聞こえない。
 社民党は、道路特定財源の一般財源化を目指し、道路の中期計画は縮減し、暫定税率は廃止の方向で見直すべきとの立場で、予算案の修正を追及していく。


3.  イージス艦による痛ましい事故が起きた。情報伝達の問題、イージス艦が清徳丸を発見した時間の発表が二転三転、海上保安庁に事前連絡なく航海長から事情聴取をした事実を隠蔽する防衛省の行為など、衝突後の防衛省の一連の対応に数々の疑念・疑惑が募っている。守屋前防事務次官の贈収賄、護衛艦「しらね」の火災など一連の不祥事が続き、その上に今回の防衛省・自衛隊の国防組織の体をなさない迷走と醜態である。
 社民党は、防衛大臣任せでなく、今こそ自衛隊の最高指揮権者である首相自らが前面に出て、事故の早急な解明と、事故後の防衛省・自衛隊の対応も含めた情報を国民に開示し、再発防止策を示し、防衛省の改革方策も示すべきだと考える。その上で、情報操作の疑念が深い防衛大臣を罷免し、防衛省関係者にも明確に責任をとらせる立場で追及を強める。

4.  地方向けには、「地方の元気再生事業」や「地域力再生機構」が目玉とされているが、効果は不透明である。「ふるさと納税」は規模も手法も姑息であるし、また地方交付税に4000億円の地方再生特別枠が設けられるが、そのために法人事業税を召し上げるのは分権への逆行である。小泉内閣の「三位一体改革」による地方交付税の5兆円を超える大幅削減が、地方格差の拡大や地方の疲弊をもたらしているのであり、社民党は地方交付税の復元・増額を強く求めていく。

5.  賃金引上げを伴わないまま、原油高騰をはじめ生活物価上昇が進み、生活の困難をもたらしているからこそ、勤労者の労働・生活条件の再建、格差是正と国民生活の安全・安心の予算とすることが求められていたはずである。
 しかし、福田内閣初の2008年度予算案は、社会保障費の自然増分の2200億円抑制を今年も続け、またわずかな年金から保険料を天引きする後期高齢者医療制度をスタートさせるなど、基本的に小泉内閣以来の構造改革路線を踏襲するものであり、国民生活の困窮と地方の疲弊には無為無策を続けている。
 社民党は、「地方・医療・雇用」の再生と、「環境・地球温暖化対策」に大きく舵を切るための予算にするよう、党独自の組み替え要求を取りまとめ、その実現を求めてきた。参議院段階でもこれを引き続き徹底追及するとともに、格差拡大をもたらし、貧困を放置し、雇用の劣化、農村経済、地方、中小企業の衰退を招いた小泉・安倍・福田政権の経済・財政・社会政策と厳しく対決し、政府・与党を追い込んでいく決意である。


以 上