2009.1. 19

1.  大企業は、01年以降の「構造改革」の後押しで、6年連続で過去最高益を更新し、株主配当は約4.5倍にも伸ばし、なお内部留保は280兆円の巨額に上る。
 ところが、この富を生み出した勤労者の所得は9年連続で低下し、中でも年収200万円未満の世帯が5世帯に1世帯に拡大した。これは、経営側の厳しい賃金抑制と共に、正規労働者が非正規に置き換えられ、今や全勤労者の3分の1超=1750万人に増大したからである。一所懸命働いても生活も結婚もできず子どもも作れず、雇用保険にも入れない貧困層の犠牲の上に大企業は儲け続けてきたのである。
 また、中小企業者も大企業からの単価切り下げや内需停滞が相まって経営難に陥り、農林水産業者も工業製品輸出優先策と輸入自由化で経営崩壊の一途である。
 加えて政府は、年金・医療・介護を次々と改悪し、また福祉の担い手である自治体の交付税を5兆円も削って福祉を後退させ、地方も疲弊させてきた。


2.
 このように、市場経済万能主義の「構造改革・規制緩和」は、社会のあらゆる分野に格差を拡大し、セフティーネットを壊し、そして閉塞感・絶望に追い込まれて自殺する人が毎年3万人を超え、凶悪犯罪・無差別殺人が増大するという社会の荒廃をもたらし、「1億総中流」といわれた格差の少ない社会を壊してきたのである。
 社民党は、欧米における新自由主義の実態を教訓に、「構造改革は、大企業の国際競争力を強めるために社会のあらゆる分野で『合理化』を押し進めるもので、弱肉強食の競争社会を作り出す」と当初から警鐘を鳴らし、「国民生活の向上こそが政治の使命だ」と反対してきたが、残念ながら正に指摘どおりの事態が生み出された。
 因みに、今は「生活が第一」を掲げる民主党は、「小泉改革とのスピード競争」を叫んでこれを後押ししたことを、深刻に反省すべきであろう。


3.  職も住居も失った非正規労働者のために、NPOや労働団体が年末に日比谷公園に設けた「年越し派遣村」に、500人を超える人々が駆け込んだ。これがいま全国に広がり、3月末にさらに拡大しようとしている。この人々は、正に市場経済万能主義の政治の被害者である。こうした事態に緊急対策が求められた。
 したがって社民党は、民主党、国民新党と共同で緊急雇用対策4法案(内定取り消しの規制、派遣労働者の解雇規制、失業者の住居と生活支援金支給、非正規労働者への雇用保険適用)を臨時国会に提出し、年内成立を求めた。野党多数の参院では可決したが、与党はこれを「野党のパフォーマンス」と非難し、衆院で否決した。
 自らの無策を棚に上げ路頭に迷う人々に手を差し伸べない、憲法25条の生存権や27条の勤労権を保障する意思もない政府・与党の姿に、憤りを禁じ得ない。
 なお、私は、この一環として、12月18日、鳩山総務大臣に「自治体が緊急に行う雇用対策に財政支援を行え」と迫り、「2次補正、来年度予算では間に合わないので、特別交付税(3月分6796億円)で対応したい」と自治体の雇用対策支援の答弁を引き出し、12月20日付けで全国に通知(5〜8割を措置)を出させた。



4.  今日から、参議院で4.8兆円の第二次補正予算の審議が始まった。その論議の最大の焦点は雇用問題であり、2兆円の定額給付金である。国民の多数は「支給を取りやめて、雇用や社会保障など、他の目的に使うべきだ」と答えている(読売新聞の世論調査では78%)。こうした国民の健全な声を聞き入れない麻生内閣の存続は国民にとって不幸である。一日も早く解散に追い込み、与野党逆転を実現しよう!


以 上