2010.6.7

1.   「政治(の世界)は一寸先が闇」と言われますが、この8か月半の鳩山内閣の軌跡もそうでしょう。
 昨年8月の総選挙の結果、民主党・社民党・国民新党による連立政権が誕生し、「生活再建」(社民党のスローガン)を掲げた鳩山内閣は、71%の高い支持率(不支持率14%)を得て船出しました。しかし、2月頃には鳩山首相と小沢民主党幹事長の「政治とカネ」をめぐる事件で支持・不支持が逆転。その後、沖縄の普天間基地移転問題で迷走し続け、5月末には福島大臣・社民党党首を罷免し社民党を政権離脱に追い込んだ結果、支持率は17%(不支持率70%)に陥りました(以上、朝日新聞調査)。そして6月2日、ついに鳩山内閣は、座礁(崩壊)したのです。


2.
 私たち社民党は、連立政権発足以来8か月余り、政権交代で政治転換を実現するため、向こう4年かけて国民に約束した3党の『政策合意』の具現化に向け、閣内・与党内で全力を挙げてきました。社民党が政権参加したからこそ、社会保障・福祉や雇用などで数々の施策を前進させました(別記)。また自衛隊のインド洋からの撤退や改憲のための憲法審査会をストップさせました。さらに私が直接取り組んだJR不採用1047名問題の政治解決や郵政職場の数多い非正規職員の正規化是正も大きく前進しました。加えて「政治とカネ」の問題でも、私自身、小沢幹事長に政治倫理審査会への出席をいち早く求め、政治資金の入りと出の透明化を求めました。このように、「政権の品質保証」に一定の成果を挙げてきました。


3.
 しかし、残念ながら、沖縄の基地負担軽減を政権『政策合意』しながら、世界一危険な米軍普天間飛行場の沖縄県内たらい回しの政府方針を止めることができませんでした。
 私たちは、敵前上陸強襲部隊である海兵隊は「抑止力」とは別物であり、かつ米領のグアムや北マリアナ連邦が受け入れに積極的であることを踏まえ、米国とその方向で交渉するよう再三提案し、求めてきました。しかし政府は、これにまともに答えず、しかも「与党3党、移設先地元、米国との合意を得て進める」との前言を翻し、5月28日、社民党や沖縄の反対を無視して福島党首を大臣から罷免した上で、沖縄県の辺野古沖に新基地を建設する日米共同声明を結び、その対処方針を閣議決定したのです。これは、国民への公約違反であり、連立政権の信義を踏みにじるものですから、社民党は連立政権からの離脱を決断したのです。


4.
 それにしても、驚くべき無責任な政治姿勢です。鳩山首相は、沖縄県民の願いを裏切り、福島党首・社民党を切って、実現不可能な(この13年間クイ一本打てなかった!)辺野古沖移設を米国に約束しておきながら、「社民党と連立は維持したい」とか「選挙協力はお願いしたい」と言うのですから、支離滅裂で、もはや首相として失格です。
 ですから私は、5月29日のテレビ出演を皮切りに「鳩山首相が辞めない限り選挙協力はない」「このままでは民主党は参院選でぼろ負けで、鳩山退陣は必至だ。ならば民主党は今のうちに退陣してもらう方が得策だろう」「わが党の政権離脱で参院での法案成立は覚束ないし、首相問責決議には基本的に賛成する」などと批判し、31日のテレビでは「一両日中の鳩山退陣」を断言してその流れを作り、ついに6月2日の辞任表明に追い込みました。沖縄県民と社民党を裏切った無責任政治を追及し、首班交代による方針の転換を目指したのです。


5.
 鳩山氏は辞任表明で、「沖縄問題で社民党を政権離脱に追い込んだこと」と「政治とカネの問題」で政権運営が立ち行かず、その責任を取って退陣すると述べました。
 しかし、6月4日、後継の菅直人新首相は、辺野古沖移設には民主党内でも約半数の議員が懐疑的ないし反対であるのに、この問題では鳩山内閣の方針を継承することを言明しました。また「政治とカネの問題」では小沢氏をしりぞけて非小沢グループを重用する姿勢を示しました。これでは、秋頃には党内抗争と沖縄問題で再び立ち往生することになるでしょう。


6.
 さて、連立政権離脱後の社民党の立ち位置が問われます。
 社民党は、@憲法理念の実現、A格差を是正した生活優先の社会、B人々の支え合いによる共生社会―をめざす社会民主主義政党です。この立場から、与党にも他の野党にも「政策を中心に是々非々で臨む野党」として奮闘していきます。
 すなわち、与党でない限り野党ですが、憲法理念をないがしろにし、格差社会を認めるような自民党的勢力や政策とは毅然と一線を画します。他方、昨年9月、国民に向こう4年間かけて実現を公約した『3党政権政策合意書』(反国民的政策の歯止めを含む)の継承を民主党・国民新党と確認できれば、その限りにおいてパーシャル連合(政策合意による部分連合)で選挙を含む協力を行い、その他の政策では是々非々の立場で臨みます。
 なお、連立政権復帰については、5・28日米共同声明と閣議決定を見直し、最低、「普天間基地の移設については、3党の合意並びに移設先地元との合意がない限り政府の最終対処方針は決定しない」旨の確認がない限り、応じられません。


7.
 これが現在の社民党の置かれた現状です。これからも「格差是正・国民生活優先と憲法理念を守る政治」の実現に一層奮闘する決意です。基本的には、党の力量・議席不足が今日の事態を招いたといえます。ですからどうしても「力」が必要です。そのため社民党は、7月の参議院選挙で改選議席の倍増をめざして戦いを進めます。どうかこうした状況をご理解いただき、一層のご支援ご協力をお願いします。



以 上