2010.11.10

1.  民主党の前幹事長・小沢一郎氏が検察審査会の2回の議決を受けて、政治資金規正法違反容疑で強制起訴されることになった。一体、その「容疑」とは何か。
 それは、小沢氏が自らの資金管理団体「陸山会」が04年10月に約3億5000万円で土地を購入したのに、04年分ではなく05年分の政治資金収支報告書に、「同年1月に支出した」と虚偽記載させた「容疑」というものである。
 これだけであれば、「記載ミス」として修正申告すれば済む問題であるが、これが大事件に発展したのは、09年3月に東京地検特捜部が西松建設の違法献金問題で小沢氏の公設秘書を逮捕し、また10年1月に石川衆議院議員(元)秘書らを虚偽記載容疑で逮捕したからである。
 ところが、東京地検特捜部は、大掛かりな捜査にもかかわらずこれを立件できる確証が得られず、結局、10年2月と5月に小沢氏の不起訴を決定した。だから、検察の捜査自体が「この土地購入にはゼネコンなどからの違法献金がつぎ込まれているはずだ」との妄想による見込み捜査であったとの批判も出されている。
 だが、検察審査会は、東京地検の不起訴決定を不満とし、黒白をはっきりさせるために起訴を求めた。これではこの件の起訴のハードルが低くなり、起訴が政治的手段に使われる可能性が大きくなると指摘する司法関係者もいる。


2.
 今臨時国会では、この問題で、わが党を除く野党から補正予算審議の前提として、国会に小沢氏を証人喚問する要求が出され、当初から紛糾してきた。
 しかし、証人喚問は重い問題であるから全会派一致が前提であり、まして前述のように東京地検が2回にわたって不起訴決定をしている状況から、民主党としては同意できないであろう。これを承知の上での証人喚問要求は、真相解明というより、民主党と小沢氏批判それ自体が目的と言わざるを得ない。


3.
 しかし、多くの国民がこの問題について、依然強い不信や疑惑を持っているのであるから、放置してよいとはならない。
 したがってわが党は、真相解明のために実現性のない証人喚問ではなく、政治倫理綱領(1985年)で「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と定めたことに則り、「小沢氏は公開の政治倫理審査会で疑惑を解明すべきだ」と一貫して求めてきたのである。


4.
 しかし、当の民主党は、政治とカネの問題で自浄能力が問われているのに、これの対処方針を決めることができず、その上に企業・団体献金の一部受領を決めるなどして国民の声に背を向け、いたずらに国会を混乱させてきたのである。  これでは、「政党の体をなしていない」「政権担当能力があるのか」などの国民の批判に全く応えることができないであろう。



以 上