2011.1.24

1.  第177通常国会が24日開会した。菅首相は施政方針演説で、国づくりの理念として「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」を掲げつつ、1) 農林漁業などに壊滅的打撃を与えかねないTPP(環太平洋経済連携協定)への参加、2)消費税を含む税制と社会保障の一体改革、3)公務員賃金の2割削減、4)日米同盟の深化、米軍普天間基地の辺野古移設堅持、「動的防衛力の強化」―などを打ち出した。また与謝野経済財政大臣は、「経済活性化のために必要となる競争力強化等の抜本的な国内改革を進める」とも述べた。
 つまり政権交代の原点である「国民生活が第一」を転換し財界寄りの「経済成長が第一」へ、すなわち新自由主義回帰の姿勢を色濃く滲ませたものであった。


2.
 菅内閣への国民の不信と不満は、内閣支持率を急落させるとともに、この間の中間自治体選挙において相次ぐ民主党の敗北を招いてきた。したがって同党内では、「国民生活が第一に戻れ」「菅首相では統一地方選は戦えない」などの批判が相次いできた。しかし菅内閣と民主党執行部は、「この半年の歩みは間違っていなかった」「マニフェストは見直しが必要だ」などと強弁し、また内閣改造と国民に不人気の「小沢追い出し」で支持率回復を狙ったようだが、国民の期待や党内の声と乖離している。内閣支持率が依然20%台で低迷しているのはその表れであろう。


3.
 自民党などの野党は、こうした民主党内の亀裂を眺めつつ、4月の統一自治体選挙を有利に展開すると共に菅内閣の早期退陣・政権奪還を図る構えで、1)予算案の衆院審議の山場(2月末)に参院で与謝野大臣や菅首相に問責決議を突きつけ、その退陣と引き換えに予算案を通すとか、 2) 3月に参院で予算関連法案を否決又は引き伸ばして、内閣総辞職又は解散・総選挙を迫るであろう。予算案は衆院の優位規定で成立するが、予算関連法案は参院で否決されれば予算が執行できなくなる。
 となれば、菅内閣は存亡の危機を迎えることになる。
 そこで菅内閣と民主党は、社民党に対して、参院で法案が否決されても衆院で再議決(3分の2以上の賛成による)ができるよう必死に協力を求めてきている。


4.
 わが党は、連立政権離脱後、民主党及び国民新党に対し、「三党連立政権の『政策合意』は向こう4年かけて国民に実現を公約したものであり、与・野党に分かれても三党の共同責任である」と確認し、政府・与党がこれを尊重する限りは協力し、これに反する場合は毅然と対決してきた。この姿勢は引き続き堅持していく。
 予算案には、確かにわが党の奮闘によって「国民生活再建」の施策が相当盛り込まれた。しかしさらに予算審議の中で、法人税減税の縮小など税制や、沖縄の基地関連継続事業を質し、衆院審議の山場で来年度予算案への賛否を判断する。
 その際、消費税増税を含む税制と社会保障の改革やTPPへの態度も見定め、また仮に菅内閣が倒れた後の内閣が、自民党などと組んで改憲と消費税増税断行の内閣にならないか―なども見極め、対処しなければならない。


以 上