2011.5.9

1.  6日夜、菅首相は記者会見で、静岡県の中部電力浜岡原子力発電所にあるすべての原子炉の運転を停止するよう中部電力に要請したことを発表した。
 これは、文科省の地震調査研究推進本部が、「これから30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%もある」と指摘していることを踏まえ、浜岡原発の危険性を考慮して、防潮堤の設置など中長期の対策をとるために、現在点検中の3号機は再開せず、運転中の4号機と5号機についても停止しようとするものである。当然、計画中の新規建設も中止される。


2.  社民党は、予想震源域の浜岡原発はあまりにもリスクが大きいとして、当初から設置そのものに反対してきた。そして、この度の福島第一原発事故の発生を受け、3月17日には「東海地震の予想震源域に位置する浜岡原子力発電所の停止を決断する」よう党首自らが菅首相に申し入れ、以降、党の方針に基づき、事故対策の強化とエネルギー政策の転換を度重ねて政府や各党協議の場で申し入れてきた。したがって、2か月近く遅れたとは言え、菅首相が、東京電力福島原発事故の深刻さを踏まえ、今回の決定を下したことは評価したい。


3.  福島第一原発事故は津波による電源喪失が原因とされているが、地震による施設・設備の断裂等がなかったと検証されたわけではない。また溜まり続ける危険な使用済み核燃料の処分場がないことも明らかとなった。専門家の間では事故の収束には5〜10年を要するとの意見が有力である。この間、放射能汚染に脅かされ、10万人近い住民が地元に帰る見込みも立たないまま避難を余儀なくされている。のみならず、多くの国民が放射能汚染に不安を抱いている。
 つまり、「原発の安全神話」の虚構は、国民と世界が身をもって知ったのである。こうした危険な要素を無視して原発建設と運転に邁進することは、もはや許されない。浜岡原発については、防潮堤の建設後に運転を再開するのではなく、廃炉にすることを目指さなければならない。


4.  いま大事なことは、1)福島原発及び40年を超える老朽化炉の速やかな廃炉、2)浜岡や柏崎刈羽など予想震源域の原発の即時停止、3)全原発でマグニチュード9以上の地震や津波を想定した安全点検・補強、4)原発の新増設計画の凍結などを通した「脱原発」政策の推進であり、並行して5)自然エネルギーへの転換(太陽光・風力・天然ガス・バイオマス・燃料電池など)政策を推進することである。これが将来への責任である。社民党はそのために奮闘していく。


以 上