2011.5.25

1.  24日、マスコミは一斉に、政府と公務員労働組合連絡会(連絡会)は23日、「東日本大震災の復興財源を確保するため、国家公務員給与の削減幅について合意した。課長以上の幹部を10%▽課長補佐・係長を8%▽係員を5%それぞれ削減する。ボーナスは一律10%減らす。給与法の改正後に適用し、2013年度末まで3年間実施する。政府は労働基本権を拡大する国家公務員制度改革関連法案とともに、給与法改正案を6月3日に閣議決定したい考え。」などと報じた。


2.  そもそも労働基本権が制約されている公務員の給与は、その代償措置である人事院勧告(基本的には官民給与格差を是正する内容)を尊重して政府が決定し、法改正をもって決定されるものである。労働基本権回復まではこの勧告尊重が憲法の要請するところである。しかるに政府は、震災復興などを持ち出してどさくさ紛れに給与削減法案と国家公務員制度改革関連法案を抱き合わせで閣議決定しようとしている。憲法の要請を踏まえれば労働基本権回復が先でなければならない。そうでなければ、裁判が起こされた場合、この賃下げは違法とされる可能性がある。また国会状況を見れば給与削減法案のみが「先食い」される懸念も残る。


3.  今日、日本社会にとってデフレ脱却、雇用創出、個人所得の増などが重要課題である。その時、異例の公務員の給与削減はこれに逆行する愚策と言わねばならない。既に国家公務員の給与(40歳で配偶者と子供2人のモデル世帯)は、この12年間で約19%=120万円(年10万円ずつ)の年収減となっている。こうした官民労働者の所得減がこの間の消費低迷とデフレを招き、日本の実体経済を縮小・停滞させてきた原因の一つである。何の根拠もない政府・民主党の人気取りである公務員「総人件費2割削減」策の一環である給与削減は、さらにこれを加速するものである。


4.  その他いくつか問題がある。一つは、今後、政府・民主党は公務員給与の削減を求めない、のかである。そうでないならば、一方で政府は「厳しい財政事情」と「国民感情」を指摘しているのであるから、「3年間」以降も削減は続くことになる。二つは、政府内部の不統一である。片山総務大臣は「地方公務員も一律こうしろというものではない」と地方公務員への波及を否定しているが、菅総理は「地方公務員については、国の取扱いを参考にしてくれると思っている」と答弁している。これでは地方公務員の賃下げに歯止めがかけられたとは言えまい。地方交付税や義務教育費国庫負担金等の削減をしないとの確約が必要だ。
 三つは、震災対策に当たる自衛隊員には手当を増額すると言うが、では被災したり復旧に当たる国家公務員に一律に給与削減するというのはまったく整合性が取れないと言わねばならない。

 以上の観点から、社民党は国家公務員の給与削減に反対するものである。


以 上