2011.6.6

1.  6月1日、自民・公明両党は「菅政権の下ではこれ以上震災復興は進まない」として内閣不信任決議案を提出した。これは、民主党の内部抗争に乗じて「政権奪還」を狙ったものである。だからわが党が、両党の「震災復興」を口実にした党利党略の不信任決議案に与しないことは、当然であった。
 しかし、不信任案反対イコール菅内閣信任を決して意味しない。菅内閣は2年前の政権交代に託された国民の期待を裏切って自公政権時代の新自由主義政治に逆戻りし、また震災復興と原発事故対策も後手後手に回って混乱を引き起こしてきた。よってわが党は菅内閣を信任することはできない。
 したがってわが党は、こうした二つの意思を明示するため、不信任決議案の採決には棄権し、議場を退席したのである。


2.  一方、民主党内の対立は抜き差しならぬ事態となり、不信任決議案への賛成者が続出し、これが可決される可能性が高まった。となれば民主党の分裂は決定的である。これを回避するには、菅首相が「早期退陣」を表明する以外に途はなくなった。そのギリギリの局面が、衆議院本会議前の菅・鳩山会談であり、民主党の代議士会であった。こうした事態の中で菅首相は震災復興等に「一定の目途がついた段階」で身を引くことを表明した。これは政治的には、震災復興基本法の成立と第二次補正予算案提出、公債特例法の成立等に目途がつくことであり、常識的には6月末または7月上旬の退陣を意味した。
 これによって、心ならずも不信任案に賛成を表明していた民主党議員の大勢は思いとどまり、不信任決議案は衆院本会議において大差で否決されたのである。


3.  ところが、驚くことに、不信任決議案が否決された途端、菅首相は原発事故の収束も「一定の目途」だと、明年まで居座る姿勢に出たのである。つまり来年度予算も編成することになる。正に「開いた口が塞がらない」とはこのことである。菅首相では国政が一歩も動かず、下手をすれば自公政権に逆戻りしかねない事態だから「身を引く」ことを勧めた長年の盟友・鳩山氏をペテンにかけ、テレビを見ていた国民をもだますことになる。不信任決議案の否決を区切りに進もうとした与野党協議の機運もこれで吹き飛んだ。このような稀代のペテン師は、国民も国際社会も信用しないし、首相どころか国会議員としても失格と言うべきだ。


4.  事態は菅首相の6月末または7月上旬の退陣で進んでいくであろうが、その間も震災復興と原発事故対策にいささかも手抜かりがあってはならない。
 同時に民主党には、代表選挙に当たって改めて政権交代の原点に立ち返り、国会での批判勢力を極小化するために自民・民主との「大連立」に踏み込むなど、政権交代に託された国民の期待を裏切ることがないよう強く求めたい。

   

以 上