2011.7.14

1.  菅首相は、13日の記者会見で、「大きな事故を体験して、原子力事故のリスクの大きさを考えたとき、これまでの考え方では、もはや律することができない技術であると痛感した」と述べた上で、「原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った。計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現していくことが、これからわが国が目指すべき方向だ」と表明した。つまり国のエネルギー政策を抜本的に見直す「脱原発」表明である。
 社民党は、一貫して「人類と核は共存できない」との観点から「脱原発・自然エネルギーへの転換」を強く主張してきた立場から、遅まきながらも大きな国民の犠牲の上に首相が「脱原発」を表明したことは、一応歓迎したい。


2.  この会見を手放しで歓迎できないのは、いくつか疑問・疑念があるからだ。
 まず、「原発に依存しない社会を目指す」ことは政府・与党の方針なのか疑念がある。先頃、玄海原発の再稼働とストレス(耐性)テストをめぐって首相と経済産業大臣との間で「不一致」を引き起こしたばかりである。間もなく退陣する首相の場当たり的個人的見解であってはならない。少なくとも首相のリーダーシップ発揮でこれを政府方針に固めてから表明してもらいたい。


3.  また、「将来」とは一体いつ頃を想定しているのか。その間の代替エネルギー拡大をどのように進めるのか。具体的中身に言及されていない。
 わが党は、5月24日、『脱原発アクションプログラム』を決定し、菅首相にも直接提言した。その主要な指標は、(1)新規原発建設中止、震源域立地及び40年を超える原発の廃炉、新安全基準クリア、(2)2020年までに原発ゼロ、代替自然エネルギー促進と節電、(3)2050年に自然エネルギー100%の日本に―である。是非、これを検討し、「原発に依存しない社会」への道筋を明確にしてもらいたい。


4.  さらに菅首相は、企業や各家庭の節電の努力の結果、今年の夏から冬にかけては「十分に必要な電力供給は可能」と明言した。わが党の試算でも、54基中35基の原発が休止中であり、年内にさらに数基が定期検査休止に入る事態も踏まえ、休止中の水力や火力発電などの稼働と節電努力によって必要な電力供給は可能であるが、首相が記者会見で語る場合、もっと具体的な状況を上げて説明しなければ説得力を欠くし、不安は拭いきれまい。


 
5.  これらの疑問・疑念に答え「原発に依存しない社会」実現の政策を確かなものにすべきだ。同時に、その実現には「脱原発社会」をもっと大きく確かな世論に高める大衆運動が不可欠である。

   

以 上