2011.11.15

1.  野田首相は、11月14日早朝、APEC(アジア太平洋経済協力会議・21の国と地域)首脳会合で、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加すると表明した。社民党は既に11日、TPP交渉参加に反対する意向を表明しており、改めて参加表明に断固抗議する。


2.  TPPとは、加盟国の間で取引されるすべての品目に対して関税を原則的に100パーセント撤廃しようという枠組みである。工業製品や農産品、金融サービスなどをはじめ全品目について、2015年をめどに関税全廃を実現するべく協議が行われている。これに参加すれば、国内の農林水産業をはじめ、医療(国民皆保険)、医薬品認可、食の安全基準(遺伝子組換え、残留農薬)、投資(外国資本の自由化)、公共調達(公共事業)、郵政、共済など24分野の市場開放を行うことになり、国民生活に多大な影響を与えるおそれがある。だから参加への反対表明や慎重を期するべきとの声が日増しに高まってきたのである。


3.  しかし政府は、昨年11月9日の閣議で「TPPについては、その情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」と決定しながら、今日まで交渉内容の情報や相手国の要求、TPPが日本にもたらすメリットやデメリットとそれに対する国内対策(例えば、食料自給率50%達成目標と「TPP参加で13%に低下」とする農水省試算の整合性など)などをまったく国民に示せず、「平成の開国だ。バスに乗り遅れてはならない」「アジア太平洋地域の成長力を取り入れなければならない」「医療制度や伝統文化、美しい農村は守り抜く」などと空疎な言辞を弄してきただけである。
 だから、国民世論を反映して、与党・民主党の国会議員の半数が交渉参加表明に反対する署名に名を連ね、野党もわが党はじめ、みんなの党を除き拙速な参加表明に反対したのである。これが民主党の「民主政治」かと問いたい。このままでは、仮に来年末に交渉に妥結できても、国会での承認に行き詰まる他はないであろう。


4.  私たちは、政府が引き続きTPPへの参加を進めるのであれば、国民に24分野の交渉内容、論点、合意点などの情報を速やかに公開し、何が日本の国益になるか、農林漁業への打撃や国民生活への影響にどう対処するのかを明確に示すと共に、少なくとも重要品目の関税の削減・撤廃はしないこと、公的医療制度や食品などの安全基準を守ることなどを明らかにするよう強く求めていく。そのためにも衆・参両院に「TPP交渉に関する特別委員会」の設置を求め、交渉を監視していく。

   

以 上