2012.6.20

1.  半年前の昨年12月16日、野田政権は福島第一原発が冷温停止状態を達成したとして「事故収束」を宣言した。わが党は、「冷温停止とは原子炉が健全な状態の場合を指すのであって、事故の収束を宣言できる状況ではない」と批判した。福島県の佐藤知事も「事故は収束していない」と反論した。それは、1〜3号機の高温で溶け出した核燃料がメルトダウンし、圧力容器と格納容器の底を突き抜けて地下の岩盤に向かっており、これが地下水の汚染を広げていると見られるからだ。大量の冷却水でうわべが100度以下になったから「事故収束」というのは早計だ。
 「事故収束」は、福島県民は元よりすべての国民が事故前の生活と環境を取り戻したときに宣言されるべきだ。


2.  半年経った現実はどうか。6月9日、政府は原発の避難地域に設定されている地域の中で、5年後には32%、10年後も18%の住民が帰還困難という予測を示した。また、放射能汚染は東日本全域に今も広がっている。例えば、東京湾の海底土に含まれる放射性セシウムが昨年8月から約7か月間で1.5〜13倍に増えたことが近畿大学の調査で分かった。さらに東京電力は5月30日に福島原発から20キロ圏内の海域で採取した魚貝類から高濃度の放射性セシウムを検出したと発表している。「事故収束」宣言と現実は大きくかけ離れている。
 だから政府・東電は、つかの間の安心を振り撒くのでなく、全力を挙げて放射能漏れ防止や除染、長期にわたる健康診断・管理を行い、また長期に帰郷できない人々の土地・家屋の買い上げ、移住と雇用対策などに取り組むべきである。


3.  野田政権は、発足当初、「脱原発依存社会」を掲げた。ところが、真逆の原発推進に動き、6月16日、関西電力大飯原発3〜4号機の再稼働を決定したのである。「消費税増税はしない」という政権公約を翻し増税まっしぐらと同じである。
 わが党は、(1)福島原発事故の原因究明(電源喪失以外に設備・機器の断裂はなかったかなど)ができていない、(2)原子力安全委員会さえ「ストレステストの一次評価だけでは不十分」としている、(3)新たな原子力規制機関(規制委員会など)が発足しておらず新たな安全基準もできていない、(4)安全対策85項目中、免震棟建設やフィルター付きベント設備など31項目が不備である、(5)大飯原発の活断層再調査もされていない、(6)何より国民の過半数が再稼働に反対している―など、安全性は全く確保されていないと指摘し、再稼動は断じて容認できないと厳しく抗議した。
 野田首相は「国民の生活を守るため、責任を持って決断した」というが、いのちを大切にしない政治は誤りだ。事故が起こったら野田氏が責任を取って首相を辞めてもだれ一人納得しない。いま必要なことは、電気事業者や一部大企業の要求に沿うことではなく、関西地区を中心に節電対策を強化すると共に別の電源確保策を急ぐこと、そして中長期の脱原発・自然エネルギー拡大の工程表を打ち出すことだ。
 来る総選挙で、こうした無責任な野田内閣に審判を下すべきであろう。



以 上