2012.6.22

1.  私は、5月31日付けのホームページのコメントで、野田首相が消費税増税法案の「今国会での成立に政治生命を懸ける」と表明した以上、党内の反対派と決別する覚悟で、自・公と法案修正で合意して衆院で採決し、会期を延長して参院で可決・成立させ、その後「話し合い解散」・総選挙へ進むであろう―との見通しを述べた。つまり、野田政権は民主党内の反対勢力と決別し、総選挙後には民自公の大連立を目指していると見てきたが、ここ2週間の三党の動きはこの見通し通りであった。


2.  三党の「社会保障と税の一体改革」をめぐる「密室談合」は、6月15日に合意に至った。合意は「社会保障制度改革先送り・消費税増税のみ断行」(消費税率を現行の5%から14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げ)としか言い様のない内容である。他の6野党や国民の多数が反対しても「国会で多数を占める三党で渡れば怖くない」と言わんばかりの内容であり、横暴極まりない三党の姿勢である。
 これに対して、ほとんどのマスコミは合意の中身や三党の姿勢をまともに批判せず、民主党内政局論議―小沢元代表が党を出るかどうか―に終始している。まるで小沢グループ離党後の三党大連立政権を待望しているかのようである。


3.  今後の政局見通しだが、大筋、次のような動きを想定しておくべきであろう。
1)26日に衆院で修正法案が採決され、民自公の賛成で可決し参院に送付される。そこで民主党内で法案に反対した小沢元代表ら数十名が離党し、新党準備に入る(残ることはかつての自民党の「加藤の乱」のように[政治家の死]を意味するからだ)。
2)参院では7月中下旬まで修正法案が論議され、採決・可決する。そこでも民主党内で法案に反対したグループが離党し、小沢氏らに合流する。
3)この間、自公は「法案協力の見返りに早期に解散せよ。そうでなければ公債特例法案等に協力しない」と迫り、最短の場合、7月下旬解散・9月上旬総選挙となり得る。


4.   それにしても、国民が民主党政権に託した期待は瞬く間に失望に変わった。それは、民主党が目指すべき明確な社会像やその理念を持ちえず、「政権交代」の一点で集まった集団であるため、その政策はさまざまな支持層の要求の寄せ集めであり、状況変化とリーダーによって常に動揺する性格にあるからである。その矛盾の解消策として「マニフェストの遵守」があったはずだが、野田内閣はそれも踏み外してしまった。マニフェストに反して、国民多数が望んでもいない消費税増税と法人税5%減税、脱原発と真逆の原発の再稼働、米国追従のTPP参加、改憲に向けた憲法審査会など、勤労国民に背を向け大企業の要求に忠実である。まさに「第2自民党であり、ならば民主党はいらない」との批判は当を得ていると言えよう。だから、「国民の生活が第一」の理念を守ろうというグループが、民自公大連立の流れに反対して新たな党を立ち上げるのは、自然の流れである。


     

以 上