2013.4.10

1.  1票の格差が最大2.43倍にまで広がった昨年の総選挙に対する違憲訴訟の高裁判決が3月末までに出そろった。16件の高裁判決のうち2件が違憲状態、14件が違憲と断じ、14件のうち2件は、総選挙そのものを無効とした。中でも札幌、福岡両高裁判決は「0増5減」による格差是正については「必要最小限の改定」に過ぎないとして、2011年の最高裁判決が求めた「一人別枠方式」の廃止と質的に異なると指摘している。

       
2.  こうした中、3月28日、衆院選挙区画定審議会が昨年末に緊急是正された小選挙区定数の「0増5減」に基づき、新たな区割り案を首相に勧告した。これを2010年の国勢調査に当てはめた場合、一票の格差は最大1.998倍である。格差はかろうじて2倍以内に収まっているものの、総務省の本年3月1日の推計人口での試算によれば既に6選挙区で一票の格差が2倍以上の違憲状態が生じている。しかもこの区割りは、「行政区画を考慮して合理的に行われなければならない」とした画定審議会設置法の趣旨から乖離し、選ぶ側の意向を無視して無理矢理88の市区町を複数の選挙区に分割したものである。このように「0増5減」による区割り法案はまったく実態に合わず、不十分である。

       
3.  社民党は、一連の高裁判決と今回の区割り勧告を受け、立法府の責任を自覚し、違憲状態の早期解消と選挙制度の抜本改革のために、各党間協議の再開を求めている。
 その際、投票価値の平等とともに区割りの合理性を考えた場合、小選挙区制度そのものに限界があると考える。たとえば昨年の総選挙において、小選挙区で自民党は43%の得票率で議席総数の79%に当たる237議席を占めた。小選挙区制度が民意を切り捨て、多くの「死票」を生み出す制度であることは明白であり、この改正が求められる。

       
4.  したがって、社民党は、一票の格差の解消と同時に民意を的確に議席数に反映させるために、「比例代表選挙を中心とした選挙制度」への抜本改革の早期実現を求める。
 具体的には、政党が獲得した票(政党名又は候補者個人名)に応じて議席を配分する比例制を中心とし、地域代表の性格も重視した小選挙区比例代表「併用制」又は小選挙区比例代表「連用制」を提案する。

 なお、小選挙区については「一人別枠方式」を廃止して完全人口割りとする。

       
5.  定数削減については、巨大な行政府をチェックする立法府の機能を弱めるものであり、また国際的にみてもOECD(経済協力開発機構)加盟34カ国の中、人口比で33番目に少ない現状から、480定数は維持すべきである。財政事情や増税論議からの削減論は本末転倒である。


以 上