2013.5.30

はじめに
 私は、12年前の参議院選初出馬に当たって、「小泉内閣の『構造改革』は、輸出大企業の国際競争力を高めるために社会のあらゆる分野でリストラ合理化(ヒト・カネ・モノ減らし)を押し進めるもので、必ず格差拡大・弱肉強食の社会をもたらす。またその延長線上に、海外の大企業の権益を守るために憲法9条を改悪して『戦争のできる国』へと突き進むことになる。これを食い止めるために共に闘ってほしい」と訴え続けて当選させて頂きました。今日の安倍政権の「アベノミクス」なる経済政策や憲法改悪の姿勢を見ると、「歴史は繰り返す」という言葉が実感されます。
       
1.  安倍政権の政策批判と主張
@ 安倍政権は、まず「デフレからの脱却」を掲げてアベノミクスなる経済政策を打ち出しました。そもそも今日のデフレ病は、大企業が国際競争に勝ち抜くために勤労者の賃金を下げ続け、低賃金である非正規労働者(全勤労者の35.2%=1,813万人)を拡大させ、そして国民が社会保障改悪で募った将来不安によって出費を抑えることなどで消費と内需が冷え込んだからです。だから私たちは、治療方法として、積極的な賃上げ、正規・安定雇用の拡大、時給1,000円以上の最低賃金の実現、社会保障の拡充などで国民の可処分所得を増やし、消費と内需の拡大を図ることを一貫して求めてきたのです。
 しかし、安倍内閣の実際の政策は、1月からの震災復興増税、7月からの違法な地方公務員の賃金7.8%引き下げ、8月からの生活保護費7.3%の削減、そして来年4月からの消費税3%増税、加えて物価2%引き上げなどで国民生活は踏んだり蹴ったりの逆療法であり、日本経済はさらに重病にならざるを得ません。
A 「社会保障と税の一体改革」を叫んで消費税増税を押し通しながら、肝心の社会保障改革の中身は全く見えず、 逆に生活保護費切り下げ、参院選後の70〜74歳の医療費は2割負担など改悪ばかりです。だから私たちは、「健康で文化的な生活が営める年金があり、ほとんどお金のかからない医療・介護・子育て制度」としての社会保障制度の確立を追求し、その財源は消費税限定でなく所得税、法人税をはじめすべての税目からの負担を求めているのです。
B 今日の財政危機の原因は、歴代自民党政権による大企業や金持ちへの年平均19兆円もの大幅減税、90年代の630兆円にも上る公共投資、そしてデフレ不況による税収落ち込みが大きな原因です。ところが安倍政権はこの反省もなく、さらに200兆円もの国土強靭化と称する公共事業の大幅拡大や大企業減税を進めようとしています。だから私たちは、不公平税制の是正や不要不急の公共事業の削減を求めています。
C 歴代自民党政権が「原発安全神話」を振りまいて進めた原発政策は、手の施しようもない福島の大事故と被害を招きました。また今日、溜まり続けた使用済み核燃料は広島型原爆換算で120万発分に上り、これを10万年以上安全に貯蔵する場所も処理方策も確定していません。安倍政権はこうした事態も顧みず原発再稼働・輸出政策に走っています。だから私たちは、脱原発・再生可能なエネルギーへの転換こそが国民の安全・安心の確保、ひいては新規産業と雇用拡大の途であるとして、3月11日に「脱原発基本法案」を参議院に提出し、闘っているのです。
D TPP(環太平洋経済連携協定)参加は、農林水産業の破壊や食糧自給率低下、食の安全基準引下げ、国民皆保険制度や雇用を壊すなど、国民生活に大きな悪影響を及ぼします。だから私たちはこれに反対し、世界の成長センター・アジア諸国との平等互恵の経済連携を追求します。
 こう見ると、安倍内閣の諸政策は、1%の大企業と金持ち優遇、99%の国民と中小企業切り捨て政治であり、小泉「構造改革」の焼き直しと言う他ありません。

       
2.  憲法を壊す安倍政権 
 安倍政権は、衆院で自民・維新・みんなが76%を占めたことに意を強くし、防衛費と自衛隊の増強、日米軍事同盟の強化、「村山談話」や「河野談話」(歴史認識)の見直し、米軍普天間基地の辺野古移設、国家主義教育の強化などなし崩し改憲を一層進めようとしています。
 そして、参院選で与党での過半数、改憲派で3分の2以上を取れば、憲法96条を改悪(衆参両院の3分の2以上の賛成による改憲発議を2分の1に変える)し、その後、自衛隊を「国防軍」に変え「集団的自衛権の行使」を可能にし、合わせて国民の基本的人権を「公益又は公の秩序」の枠内に抑制する憲法の全面改訂を狙っています。まさに憲法は最大の危機を迎えました。
 そもそも憲法とは、主権者たる国民が国家権力行使のあり方を定めて国民の人権を保障する、国家権力を縛るものです。しかし安倍政権は、こうした立憲主義を否定し、逆に国家権力が国民を統制・支配するものに変えるというのですから、憲法の破壊、主権者国民への挑戦です。こうした歴史の逆行を断じて許すわけにはいきません。

       
3.  憲法と暮らしを護るために
@ 第1に、以上に述べた安倍内閣の国民を犠牲にする政策を広く宣伝し、これに反対する声を大きくすることです。
A 第2に、国民の中に広範な改憲阻止戦線を築くことです。そのために私たちは、自民党の「憲法改正草案」批判のパンフレットを大量に発行し、広範な学習会や講演会に活用いただき、また党として全国で10,000か所街頭演説、時局講演会や大衆集会の開催、改憲反対の署名活動などを進め、仮に国民投票となっても96条を含む改憲案を否決できる世論作りを進めます。
B 第3に、「参院選での与党の過半数阻止」の闘いです。わが党自身が「300万票以上・3議席以上」を獲得しなければなりませんが、それだけでは「与党の過半数阻止」はできません。「改憲阻止・国民の生活向上・脱原発・反TPP」の4本の旗を掲げ、可能な限りこれで一致する勢力(現状では社民党、生活の党、みどりの風、できれば民主党など)の選挙協力が重要です。
C 今日、日本社会の持続的発展のためには国民主権・基本的人権の尊重・恒久平和の3原則を堅持し、社会民主主義的政策を実現することが必要です。その先頭に立つ社民党が国政に絶対必要です。『社民党が小さくなって社会がおかしくなった』と年配の方々に指摘され、責任の重大さを痛感しています。私自身、比例代表の候補者として死に物狂いで闘い抜く決意です。格段のご支援ご協力をお願い申し上げます。

      (以上は、5月29日の静岡における「国政報告」の要旨です)
       

以 上