2013.10.1

 安倍晋三首相は本日、消費税率を5%から来年4月に8%へ増税すると表明し、あわせて、消費税増税にともなう景気の下振れリスクに対応することを理由に、5兆円規模の経済対策の実施を発表した。しかし、企業に対して減税をアピールしたい安倍首相の思惑が如実に反映し、すでに実施済みの企業向け減税も含め法人減税は約1兆円規模にのぼり、公共事業も約2兆円が盛り込まれた。一方、低所得者向けの「簡素な」現金給付は1回限りの約3000億円にすぎない。「企業優遇、家計軽視」の現れであり、消費税増税による景気の腰折れを防ぐというのであれば、そもそも消費税を増税しなければよい。「トリクルダウン」の幻想をもとに大企業ばかりを優遇し、中小企業や家計に負担を押し付ける消費税増税は断固撤回すべきである。
       
 社会保障・税一体改革では、社会保障の「充実」のために消費税増税はやむを得ないとされていたが、社会保障の「充実」に回るのはわずかに5000億円(2014年度)にすぎない。しかも「充実」どころか10月1日より、年金支給額の減額、厚生年金保険料の引き上げ、児童扶養手当の引き下げなどがはじまり、社会保障制度改革プログラム法案では、社会保障の「負担増」のメニューが目白押しとなっている。さらに、「アベノミクス」によって、燃料費や輸入品、多くの食料品も「値上げ」となり、家計の負担はさらに増大している。こうした中の消費税増税の実施は、景気の回復に逆行し国民生活に大きな犠牲を強いることになる。
       
 また、この間の税制改正においても、消費税増税分は、社会保障ではなく、所得税の税率フラット化や法人税等の減税による減収分の穴埋めをするかのように機能してきた。今回の5兆円分の消費税増収の多くも、消費税増税に備えるとの名目で国土強靱化やオリンピックなどを口実とした大規模公共事業ばらまきと企業減税の財源のためのものと化している。
       
 本日より、消費税転嫁対策特措法が施行されたが、そもそも中小企業は消費税だけでなく、原材料費すら販売価格に転嫁できていないという構造は放置されたままである。付け焼刃的な消費税転嫁対策ではなく、中小企業が価格に転嫁できない構造に早急にメスを入れるべきである。
       
 復興特別法人税の前倒し廃止による約9000億円の減税については、多くの反対もあり、12月中に結論を得ることと先送りされた。「今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合う」という復興基本方針に反するものであり、なによりも、消費税増税が被災地の復興や被災者の生活再建に与える影響は大きく、被災地を軽視し切り捨てるものである。企業の負担すべき部分を国民にツケ回しすることは認められない。
       
 企業のためこむ現預金は220兆円にものぼる一方で、民間の年間平均給与は408万円と2年連続減少し、所定内給与も14か月連続で低下するなど賃上げには回っていない。GDPの6割が個人消費であり、賃金の引き上げや安定雇用の拡大、消費税増税撤回による、個人消費を中心とする内需拡大を強く求める。社民党は、今回の安倍首相の表明の撤回と来年4月からの消費税増税の中止を求めて、院内外で全力を上げる。
       

以 上