2013.10.3

(1)  安倍内閣は、9月に「国家安全保障戦略」を検討する懇談会、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を相次いで開催した。焦点は憲法上、行使できないとされている集団的自衛権をめぐる議論であるが、議論が始まる前から行使容認と結論が出ていると報じられている。社民党は、確定した憲法解釈を強引に変更しようとする暴挙に断固反対し、院外の護憲勢力と連携を強め、これを阻止するために奮闘する。
       
(2)  集団的自衛権とは、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」と説明されてきた。歴代政権は60数年にわたり、「憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、…集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されない」(H24「防衛白書」)としてきたのである。
       
(3)  ところが、安倍政権は、この確定した政府解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認しようと、出来レースの懇談会を立ち上げ、また内閣法制局長官の首をすげ替え、さらにはそれを容認する国家安全保障基本法を制定しようとしている。これは、憲法第99条で憲法尊重擁護義務を課されている国務大臣や国会議員には許されざる行為であり、また下位にある法律で憲法の解釈を変更することは、憲法に違反する法律や政府の行為は無効であり(憲法第98条)、政治権力は憲法に制約されるという立憲主義に反することは明らかである。いわば戦後政治へのクーデターともいうべき暴挙である。
       
(4)  集団的自衛権行使解禁の4類型として、@公海での米艦艇の防護、A米国を狙った弾道ミサイルの迎撃、BPKOなどで他国部隊を守るための「駆けつけ警護」、CPKOや戦闘地域での他国部隊への後方支援」が検討されているという。
 これらは、次に見るように子ども騙しのこじつけである。
@の「公海での米艦艇」との共同行動は、一つは「日本領海内の場合」であり、これは自衛権の範囲であるから集団的自衛権行使に当たらない。二つ目は「武力行使を目的として自衛艦が海外に派遣され米艦艇と共同行動する場合」であるが、これは明らかに憲法違反であるので、あり得ないことである。
Aの「米国を狙った弾道ミサイルの迎撃」は、仮に敵対している北朝鮮の攻撃を想定したとしても、日本の上空を通過しないものに「迎撃」などあり得ない。そもそも世界最強の米国に全面戦争を仕掛ける愚かな国はない。
BCの「駆けつけ警護」や「戦闘地域での他国部隊への後方支援」だが、日本のPKO派遣は「派遣5原則」があり、戦闘地域への派遣はないし、もし戦闘があれば撤退することになっている。戦闘の後方支援は武力行使であり憲法違反である。
 つまり「4類型」は米軍と共に「戦争のできる国」にせんがための屁理屈である。しかも現在の議論は、この4条件に限定することなく集団的自衛権の行使を認める方向になっている。あきれてものが言えないとは、このことである。
       

以 上