2014.5.15

◆集団的自衛権の行使容認を求める安保法制懇の報告が出されたが。
 集団的自衛権の行使容認を求める安保法制懇の報告が出されたが。
 安保法制懇は、集団的自衛権の行使容認に向けた理屈付けのための安倍首相の私的懇談会であり、行使容認賛成派ばかりだから憲法無視の結論は初めから決まっていた。
     
◆憲法解釈変更の閣議決定で行使は許されるか。
 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を宣言した「憲法9条の下で集団的自衛権の行使は許されない」というのが歴代政権の確立した憲法解釈だ。安倍首相は安保法制懇の報告に基づいてその解釈を180度転換する閣議決定を目指している。これは憲法9条の実質停止を狙うもので、憲法の遵守義務を負った政府としては許されない行為だ。
 集団的自衛権行使がどうしても必要だというのなら、堂々と国民にその必要性を訴え、憲法改正を国民に問うべきだ。その自信がないから解釈改憲という姑息な手段に出ている。
     
◆そもそも集団的自衛権の行使とはどういうことか。
 日本が攻撃もされていないのに、同盟国・米国などの海外での戦争に自衛隊が参加することで、当然、外国人を殺し自衛隊員も死傷しかねないことを意味する。平和憲法に基づいて専守防衛に徹し、非軍事的手段で平和構築を図り国際貢献を行う国として世界から尊敬と信頼を得てきた戦後日本の歩みを大転換する暴挙だから、断固反対する。
     
◆かつてのイラク戦争のような場合、日本は参戦することになるか。
 当然そうなる。03年のイラク戦争の際、小泉首相は特別措置法を作って自衛隊を多国籍軍の後方支援に派遣したが、集団的自衛権が禁じられているから「武力行使はしない、戦闘地域で活動はしない」と言った。集団的自衛権行使が可能ならば、自衛隊は後方支援でなく参戦してイラク人を殺し、自衛隊員も殺傷されただろう。あの誤った戦争でイラク人の死者は約13万人、多国籍軍の死者は4805人にも上った。いまだにイラクは混乱している。
       
◆集団的自衛権の丸々容認でなく限定容認論が出てきたが。
 限定容認論は「小さく生んで大きく育てる」類の便法に過ぎない。「日本の安全に重大な影響を与える場合に限定する」と言うが、その判断をするのは時の政権だから、いくらでも拡大解釈でき、自衛隊が海外の戦争に出ていくことが可能となる。自民党の石破幹事長は地球の裏側まで行く可能性も排除できないと述べている。
       
◆安倍政権と歴代政権の違いをどう見るか。
 歴代政権の論議の積み重ねを無視する姿勢が強い。国際的な歴史観からかけ離れた偏狭なナショナリストだ。近隣諸国への配慮も足りず外交破綻を招いている。それで「戦争ができる国」づくりに突き進んでいる。そして政治権力は憲法の遵守義務を負うという立憲主義を無視する点では従来の自民党政権とも異質な反動政権だ。だから欧米諸国からも安倍首相に「恐ろしく非民主的かつ反立憲主義的」「民主主義の世界標準からすれば『極右』だ」などの批判が高まり、日本の外交安保政策を不安視する声が強まっている。
 反動安倍内閣の暴走を食い止めるための主権者、国民の力が試されていると言えよう。
       

以 上