2014.6.30

 「わが国は、…過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」た(村山談話)。その「痛切な反省」の上に、日本国民は、憲法前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し」、憲法9条で政府に戦争を起こすことを禁止したのである。
 だから歴代政権は、このことを踏まえ、軍事的な組織である自衛隊であっても、わが国が武力攻撃を受けた場合に備えた専守防衛の組織であって、他国の軍隊のように海外で武力行使をすることはないと繰り返し説明し、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と言明してきたのである。
     
 しかるに安倍政権は、こうした歴史経過から目を背け、自らの偏狭なナショナリズムに基づいて、明7月1日、歴代政権の見解を覆し「集団的自衛権の行使も許される」旨の閣議決定を行い、わが国が攻撃されていなくても、他国と共に海外の戦争に参加する道へ踏み出そうとしている。戦後70年にわたる日本の安全保障政策の大転換である。
 そもそも憲法とは、一般法と異なり、政府や国会が遵守すべき法規範であるから、政府が好き勝手に解釈することは許されない。にもかかわらず安倍政権は、この立憲主義を蹂躙し、憲法9条を無力化しようとしているのであり、断じて許されない暴挙である。
     
 集団的自衛権の行使を可能にすれば、どういう事態が起こるか。
 かつて01年のアフガニスタン攻撃、03年のイラク戦争の際、自衛隊が多国籍軍の後方支援に派遣されたが、集団的自衛権行使が禁じられていたから、「武力行使はしない、戦闘地域で活動はしない」ことが法的に明確にされていた。しかし、この歯止めが取り払われるのであるから、米国などの参戦要請は断れず、わが国への武力攻撃がないにもかかわらず、「我が国を防衛する必要最小限度の範囲」を超えて、自衛隊を海外の戦闘に派遣することになる。あのイラク戦争などの場合、人道復興支援ではなく前線に出てイラク人を殺し自衛隊員も殺傷されることになっていくことは明らかである。
     
 このように、集団的自衛権の行使容認は、「戦力の不保持と交戦権の否認」を規定する憲法9条2項に違反することは明白である。だから、どうしても集団的自衛権の行使容認が必要であれば、堂々と憲法改正の手続きを取るべきなのである。しかしそれでは、「戦争ができる国づくり」に多くの国民がNO!を突きつけるであろうから、姑息な憲法解釈の変更で9条を無力化しようというのである。主権者・国民を欺く安倍政権の所業は断じて許されない。秋の関連法案の改悪阻止に向けて運動を強化し、反対の声を飛躍的に広げよう!
       

以 上