2014.8.6

 既報の通り、社民党は、6月23日から3日間、吉田党首を団長とする訪中団を派遣した。
 これは、(1)社民党と中国共産党との友党関係の継続・発展、(2)両国間の関係改善、(3)北東アジアの平和構築―などについて、両党間及び中国政府要人との会談で率直な意見交換を行い、認識が共有できた課題について双方が積極的に取り組むことを確認する目的で行ったものである。中国側の熱烈歓迎の下、認識共有を広げ大きな成果を上げることができた。
 一連の会談の中で吉田党首は、日中両国関係の改善について、「両国の関係は、国交正常化以来最も厳しい状況にあるが、両国が一衣帯水の友好隣国であり、かつ世界第2位、3位の経済大国同士で相互依存が深化している現状に照らし、難局を打開し、一日も早い友好関係の回復と将来に向かっての相互発展を図らねばならない。そのために、『小異を残して大同に就く』との精神に則り、共通の利益を最大限に拡大し相違点を縮小していく観点に立って、経済交流や民間交流、地方交流、文化交流、若い世代の交流等を促進していくことが必要だ」と述べた。
 これに対して中国側からは、「中日友好は両国民の望みであり、中日双方とも関係改善を望んでいる」、「一時的に紆余曲折し関係が悪化しているが、長期的に見れば主流ではない。両国関係の未来は明るい」(共産党対外連絡部・王家瑞部長)、「中日間の不愉快な状態が起きているのは、長期にわたる友好交流関係の一瞬だ」(兪正声常務委員)、「4つの政治文書を踏まえて戦略的互恵関係を進めていくのも変わらない」、「中日両国がさらに協力を強化することは、利益の上にさらに利益のあることだ」(劉振民外交部副部長)など、両国関係改善に向けた意欲が示された。
       
 また社民党は、「関係改善を大きく進めるためにも、11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議首脳会議の際に日中首脳会談が実現するよう中国側の努力を求めたい」旨を述べた。
 これに対して中国側からは、「安倍総理は今日のような難局になることがわかっていながら今日のような事態をもたらした」、「両国関係の改善が望ましいがそれにふさわしい雰囲気がない。安倍総理がどんなことを議論したいのかをまず明らかにすべきだ」(王家瑞部長)、「(靖国参拝が)中日間に悪影響を招くことを誰よりもわかっていてわざと過ちを犯したと思う」(兪正声常務委員)、「中日関係の直面している難局はあくまでも日本の政治的行為によってもたらされた」(劉振民外交部副部長)など、関係悪化は日本側に原因がある旨がこもごも指摘された。
       
 その上で双方は、今日の日中関係改善のためには、1972年9月の日中共同声明はじめ「4つの政治文書」、「4つの談話」、「(尖閣諸島領有権と靖国参拝に関する)2つの紳士協定」で確認された諸原則・合意を遵守することが大切であるという認識で一致した。
       
 安倍首相は、「日中関係は『戦略的互恵関係』の原点に立ち戻るべきで、課題があるからこそ対話すべきだ。私の対話のドアは常にオープンである」と繰り返し述べているが、両国間の「4つの政治文書」などの諸原則・合意を遵守するとは言及していない。むしろそれを白紙に戻そうとしているように見える。それでは両国間の関係改善は図れないことを認識すべきである。
       

以 上