(2014.9.27−28.党全国活動交流会での提起)
2014.9.28

       
(1)  2012年末の総選挙で政権を奪還した安倍政権は、13年夏の参院選でも過半数を制し、執念である「戦後レジームからの脱却」の好機到来と捉えている。当面は、新自由主義経済政策・アベノミクスで景気回復への国民の期待を煽りつつ、解釈改憲で集団的自衛権の行使に踏みだし、「戦争ができる国」・軍事大国化への転換を押し進めている。国家安全保障会議設置法や特定秘密保護法の強行、武器輸出三原則の自由化、集団的自衛権行使を前提とする「日米ガイドライン(防衛協力の指針)」の改定、辺野古新基地建設の強行、米軍オスプレイの全国的訓練容認などがそのことを示している。そしてこうした既成事実の積み上げの上に、憲法の全面改悪を目論んでいる。9月3日の内閣改造はそのための政権基盤の強化・長期政権化を図ったものであり、一段と右寄りの布陣をしいたと言えよう。
       
(2)  だが、こうした安倍政権の新自由主義・新保守主義の政治は、多くの国民の政治への要望・要求とは大きくねじれ、不安や不満が増大せざるを得ない。
 そもそもアベノミクスは小泉内閣の新自由主義「構造改革」の焼き直しであり、結局は、国民生活や雇用を壊してさらに格差を拡大し、財政危機を深め、増税や社会保障改悪を強めることになる。例えば、「成長戦略」を声高に叫ぶが、今年度第一四半期の実質GDPが予想以上に落ち込み(年率▲7.1%)、「デフレ脱却・景気回復」に黄色信号が灯った。だから各種の世論調査でも、ほとんどの国民は景気回復の実感を持てないし、その下での来年10月からの消費税率の引き上げにも大多数が反対である。また、原発の推進と再稼働、集団的自衛権の行使にも多くの国民が反対である。国民が求めているのは、これらと共に景気回復・雇用の安定、社会保障制度の改善など現在と将来の生活の安心・安全である。したがって安倍内閣の支持は、今後下がることはあっても上がることはない。
       
(3)  しかし、安倍首相はこうした民意に耳を傾けるどころか、民意をねじ伏せて消費税増税と法人税減税、原発再稼働、集団的自衛権行使に向けた関連法案改定の強行、TPP交渉妥結などを強行する構えである。そのために、「一党多弱」・野党共闘の不調を見透かし、解散・総選挙の機を窺っている。つまり総選挙で与党が3分の2の321議席以上を獲得すれば、政治的には「安倍政権は圧倒的に信任された」ことになり、明文改憲が射程に入ると見ている。目下のところ、解散・総選挙は来年の通常国会終盤の可能性が高いと想定し、準備すべきであろう。
       
(4)  今日的な情勢の下での野党の使命は、反動安倍政権への政策的対抗軸を鮮明にし、大衆運動の強化と選挙闘争の前進を背景に野党共闘を強化し、安倍政権の暴走を阻止することである。安倍政権への政策的対抗軸は、大筋以下の点であろう。
@ 憲法に基づく政治の実現、集団的自衛権の行使は認めない。
A 脱原発・再生可能エネルギー推進、原発再稼働は認めない。
B 国民生活の向上(消費税再増税と法人税減税反対、租税特別措置の抜本見直し、社会保障制度の拡充、積極的賃上げ、非正規労働の正規化・均等待遇、最低賃金引き上げ・中小企業支援など)
 これらの政策課題で一致する野党共闘を強化し、秋闘から春闘の盛り上げを図り、統一自治体選挙での前進を実現し、総選挙での飛躍を目指すことである。
       
(5)  具体的には、以下の取り組みを軸に「党の見える化」を図る必要がある。
@ 秋の臨時国会では、上記を踏まえ、経済無視の消費税10%決定、平成大合併や三位一体改革の総括なき「地方創生」、安全性無視の川内原発の再稼働、集団的自衛権行使のリスクなど、安倍政権の反国民性を徹底して追及する。
A  秋闘では、党が主体的積極的に「戦争をさせない1000人委員会」運動(脱原発・再稼働反対、反消費増税、反基地等含む)などの大衆運動を企画し、平和運動センターや市民団体と共に実施する。
 大衆運動としては、街頭演説・チラシ配布、講演会・学習会などをベースに、10月 21日を基準日とする「集団的自衛権行使反対」等の総決起集会の実施、11月3日又は12月8日を目途とする「戦争のできる国づくり(集団的自衛権行使)反対」(仮称)の意見広告運動などを各県の実態を踏まえて実施を目指す。これを統一自治体選挙・総選挙の前段闘争と位置づける。
B  自治体選挙の候補者擁立を急ぎ、自治体政策と併せて安倍政権批判を積極的に展開し、支持と議席拡大に全力を挙げる(野党間のすみ分けなども進める)。
C  総選挙対策は、現有議席確保は元より11ブロックでの議席獲得に向けてブロック内で戦略・戦術の協議を進める(すみ分けは別として、他党との選挙協力は護憲・集団的自衛権反対、反消費税、脱原発・再稼働反対などでの「政策協定」が前提である)。
       
(6)   以上の運動の積み上げを重視しつつ、わが党の前進をどのように展望していくかが課題である。現状では「社民党の政策・主張は正しいが、政策実現力や当選可能性の面から国民の選択肢となりえていない」と指摘されており、この現実を直視した対処も不可欠となっている。つまり、わが党が中軸となって「安倍政権と対峙する社民・リベラル政治勢力の結集」をいかに図って党内外の期待に応えていくかの方策の探求である。
  そのためには、前述した政策を鮮明に掲げ、総選挙・国政選挙をたたかう陣形をどのように模索・構築していくかであり、早急な検討が求められる。わが党の意思統一と活動強化を基礎に、支持労組やリベラル勢力の動向を見極めつつ、議論を行っていくことが必要である。
       

以 上